福島県と国土交通省が全国初の特定貨物輸入拠点港湾として整備している小名浜港(福島県いわき市)の3号ふ頭と人工島の東港地区を結ぶ臨港道路「小名浜マリンブリッジ」が完成し、23日に現地で完成披露式が行われた。
小名浜マリンブリッジは橋梁延長927メートル。航路部の5径間連続PCエクストラドーズド橋(510メートル)を4径間連続PC箱桁橋(3号ふ頭部220メートル、東港部197メートル)で挟んだ構造が特徴。臨港道路にエクストラドーズド橋が用いられた初の事例という。桁橋と斜張橋の長所を取り入れた形式で、桁高を抑えて道路勾配を緩やかにする効果がある。
10年3月に事業に着手し、3月末に完成。当面は東港地区建設関連の車両移動路として暫定的に活用する。将来は東港地区に陸揚げされる輸入石炭を内陸に輸送する臨港道路となる。
完成披露式であいさつした国交省の菊地身智雄港湾局長は「小名浜マリンブリッジは東港地区と一体的に小名浜港の拠点となり、国際バルク戦略港湾として我が国の産業競争力強化と国民生活の安定を支え、福島県の復興を後押しする重要な役割を担っていく」と述べた。
福島県の内堀雅雄知事は「震災により甚大な被害を受けた小名浜港は、皆さんの尽力によって全面復旧を遂げた。完成した小名浜マリンブリッジは国際物流ターミナルのアクセス道路であり、地域の産業や観光にも寄与する新たなランドマークとなる」と語った。
関係者によるくす玉開披や、いわき市民を代表し3世代家族による渡り初めが行われた。夕刻には橋をライトアップして完成を祝った。東港地区では水深18メートルの耐震強化岸壁が整備され、石炭ストックヤードとなる人工島の埋め立て造成が行われている。
0 comments :
コメントを投稿