2017年4月12日水曜日

【回転窓】歩きスマホ用信号機

通勤の地下鉄駅のホームや階段で、前の人の歩くのが妙に遅いと思ったら、大抵はスマートフォンの画面を凝視しながらの「歩きスマホ」である。心の中で「さっさと歩け」などと目くじらを立てるのも大人げない、とは思うものの、混み合う電車の乗り降りを妨げられるのはやはり不愉快である▼歩きスマホには、周囲への迷惑はもちろん、本人も人や物にぶつかったり線路に落ちたりする危険がある。駅のアナウンスも歩きスマホをやめるよう呼び掛けているが、あまり効果はないように見える▼当然と言うべきか、この問題は日本に限らぬようだ。オーストラリア・シドニーに、下を向いて歩く人に赤信号を知らせる路面埋め込み型信号が登場したと通信社の外電が報じていた▼急増している歩きスマホに伴う事故の防止が目的という。かの地でも当局が歩きスマホをしないよう呼び掛けているが、根絶が難しいと記事は伝える▼歩く間も惜しんでのスマホ操作。便利過ぎる道具との付き合いは誠に難しい。シドニーの路面信号は一つの答えでもあろうが、街行く人が皆うつむきでは、あまり気持ち良い風景とは言えまい。

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