成田国際空港会社は4日、5日から運用する第3ターミナルの増築エリアを報道陣に公開した。1階到着ロビーを約1600平方メートル拡張し、到着客と出発客の動線を分け、混雑を緩和する。
バスの乗車券販売カウンターを2階から移設するとともに、宅配カウンターや無線LAN機器のレンタルカウンターを増設するなど利便性を向上。テレビ電話モニターを初めて導入したエレベーターも設置した。設計・施工はナカノフドー建設。
第3ターミナルは2015年4月に開業した。格安航空会社(LCC)の需要増に伴って、利用旅客が年間取扱能力の750万人を17年度から上回っている。18年度は762万人。1階到着ロビーからバスターミナルや第2ターミナルなどに移動するには、2階の出発ロビーを経由する必要があり、時間帯によっては2階のチェックインカウンター付近が出発、到着双方の旅客で混雑し、利便性の問題もあった。
そこで1階到着ロビーを拡張し、2階の出発ロビーを経由せずにバスターミナルなどとを結ぶ通路へアクセスできるよう増築工事によって施設を改良した。沼田憲昭営業部門旅客ターミナル部営業管理グループマネージャーは「ほかの交通機関に行きやすくなる。到着客のストレスを緩和できる」と増築効果に期待を寄せる。トイレはユニバーサルデザイン仕様で、女性用にはパウダーコーナーがある。待合スペースを三つ、約120席新設した。
バスターミナルなどに接続する通路に至るエスカレーター、エレベーターを新設した。エレベーターには目が不自由な人に配慮した色と浮き出し文字が特徴の「SOSボタン」を設置した。
非常時に押すとテレビ電話モニターで係員につながる。音声だけでなくメッセージボードや筆談で意思を確認し、係員が急いで向かっていることなどを知らせる。音声だけでは応対ができなかったり、言葉が不自由な人が非常ボタンを押すのに抵抗を感じたりしているため、同社はテレビ電話モニターの設置を広く周知する方針だ。
第3ターミナルは、セキュリティーシステムなどを高度化し、旅客処理能力を19年度末に900万人まで引き上げる。増築した1階到着ロビーの2階部分の整備に加えて、隣接する第5貨物ビルの解体を待ってさらに拡張する計画も進んでいる。
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