2019年9月18日水曜日

【代表作は「バーンズ財団美術館」】高松宮殿下記念世界文化賞、建築部門は米建築家・ウィリアムズ、ツィン両氏に

 日本美術協会(総裁・常陸宮さま)は17日、世界の優れた芸術家に贈る第31回(2019年)「高松宮殿下記念世界文化賞」の受賞者6人を発表した。

 建築部門は米国出身の建築家トッド・ウィリアムズ(76、写真㊧)、ビリー・ツィン(70)の2氏を選んだ。同部門での2人同時受賞は07年以来12年ぶり。授賞式は10月16日に東京都港区の明治記念館で行う。受賞者にはメダルや賞金1500万円などを贈る。

 ウィリアムズ氏はミシガン州デトロイト、ツィン氏はニューヨーク州イサカで生まれた。ツィン氏はウィリアムズ氏の事務所に勤務していたが、1986年に2人で新事務所を設立。建築家夫婦として、企業の研究所や博物館など多数の建築作品を手掛けてきた。

 両氏は木や石といった素材にこだわり、構造計算や光の入り方などを緻密に計算した建築作品が特徴。建物利用者の想像力を最大限引き出す効果を狙っているという。代表作の「バーンズ財団美術館」(フィラデルフィア、2012年完成)は、郊外の邸宅美術館を都市部に移築。内部空間に日光を取り入れ、落ち着きある外観と荘厳な空間を具現化した。

代表作「バーンズ財団美術館」の全景(ⓒ Michael Moran)
アメリカ建築家協会(AIA)の建築事務所賞など多数受賞。14年には王立英国建築家協会(RIBA)のインターナショナル・フェローシップの認定を受けた。今後はシカゴに新設する図書館「オバマ大統領センター」(22年完成予定)の設計にも携わる予定だ。10月17日には東京都港区の鹿島KIビルで受賞記念講演会を行う。

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