「防災の日」だった1日、各地で災害発生に備えた訓練が行われた。政府は安倍晋三首相と閣僚が参加し総合防災訓練を実施。首都直下地震の発生を想定して対応を確認した▼神奈川や東京を中心に広い範囲に甚大な被害をもたらした関東大震災が起こったのは1923(大正12)年。発生時刻が正午少し前の昼食時だったこともあり、木造住宅が密集していた当時の東京都心部などで火災が相次ぎ、広範囲が火の海に包まれた▼政府機関が集中する東京を直撃した大地震からもうすぐ100年。政府が2013年に公表した推計によると、首都直下でマグニチュード7クラスの地震が30年以内に起こる確率は70%とされる▼地震に限らず自然災害の発生頻度は過去に比べ高まっている。ハード、ソフトの両面で事前と事後の対策をどう取っていくか課題は山積している。政府推計による首都直下地震の被害は建物倒壊と火災で最大約2万3000人が死亡、61万棟に達する建物が被害を受ける。経済的な被害は95兆円に上る見込み▼備えあれば憂い無し、とも言い切れない大災害にどう対処するか-。もう一度しっかり考えたい。
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