2019年9月17日火曜日

【回転窓】アイヌ文化の魅力に触れる

シシャモ、ラッコ、トナカイ…。日本語と思い使っていたこの言葉が実はアイヌ語だと教わった。北海道には倶知安(くっちゃん)、足寄(あしょろ)などアイヌ語由来の地名が数多く残る。口伝えで語り継がれてきたこともあってか独特の語感が心地よい▼アイヌは「人」という意味で北海道を中心に自然と共に暮らしてきた先住民族。森羅万象すべてに神が宿っているという独自の信仰を持つ。道内各地に居住するアイヌの人々により伝承されている民俗芸能「アイヌ古式舞踊」は国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されている▼道内に住むアイヌ民族は約1万6800人。自然の中で培われた貴重な文化が存立の危機にあることを踏まえ、国はアイヌ文化の復興・発展の拠点となるナショナルセンターを来春、白老町のポロト湖畔にオープンする▼博物館と公園に加え慰霊の施設も整備される。明治時代に独自の文化を禁じられ、貧窮に追い込まれたアイヌの過去に目をそらしてはいけない▼施設の愛称は「(大勢で)歌うこと」を意味する「ウポポイ」。アイヌ文化の多彩な魅力にぜひ触れてみたい。

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