2019年9月26日木曜日

【回転窓】危機意識と将来性

「参加企業さえ集まればリスクは無い」。とある経営者の言葉が引っ掛かった。PR関係の新事業に乗りだすようで、意気揚々の面持ちだった。ターゲットは現在勢いがある分野。対象企業の決算を見ると確かに収益は上々だ▼とはいえ、一寸先は闇というのが今の時代。激甚化する災害や米中貿易摩擦のような国際情勢の変化が、玉突きのように幅広い産業に悪影響を及ぼすこともある。リスクは大きく見積もり、二重三重の対策を講じておく方が賢明▼驚いたのは同席する幹部が先の発言に無反応だったこと。甘いリスク判断が常態化しているようでは将来性に疑問符がつく。トップの姿勢は部下に波及し、そうした意識はクライアントからも透けて見える。今後を占う重要な兆しとしてメモした▼現状維持だけでは成長できないため、もちろん新たな動きは必要。石橋をたたいて渡るような慎重さを持ちつつ果敢に攻める姿勢が求められる▼建設産業を担う中堅世代と話しをすると将来への危機意識が非常に強い。真剣さや本気度は取材時の大きな注目点。次代を切り開く気概を持った人を、しっかりと紙面に刻んでいきたい。

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