小田急電鉄と京王電鉄、東京・世田谷区の3者は京王井の頭線と小田急小田原線が交差する下北沢駅周辺の街づくり方針を明らかにした。
小田急は複々線化に伴う線路の地下化によって地上部に生まれた延べ約2万7500平方メートルの鉄道跡地に、商業施設や飲食店、学生寮などを整備する。京王は井の頭線の高架下に商業施設など、区は駅前広場などを整備していく。
3者は24日に世田谷区の北沢タウンホールで記者会見し、コンセプトや整備する施設などを発表した。
小田急線は2018年3月に複々線化事業が完了した。東北沢~世田谷代田駅の地上部を「下北線路街」として開発。住居併設の飲食店や物販店などを設ける商店街型商業施設「BONUSTRACK」(2階建て延べ約900平方メートル、20年4月開業予定)を整備する。
インバウンド(訪日外国人旅行客)がターゲットの宿泊施設(延べ1700平方メートル、20年12月開業予定)などを開業する。
会見で小田急電鉄の星野晃司社長は「にぎわいがあり、わくわくするような街をつくっていきたい。住民に愛着を持ってもらえる街を目指す」と話した。
ほぼ全域に緑を配置し、街とのつながりを意識した回遊性の高い空間を整える。敷地面積約1400平方メートルのオープンスペース「下北線路街空き地」を設け、音楽イベントを開催するなど地域のにぎわい創出に貢献する。
京王電鉄は井の頭線下北沢駅の高架下スペースに370台を収容する駐輪場を3月に開業した。同社の紅村康社長は「回遊性を重視した心地よい空間を整備する。街全体の魅力向上に貢献したい」と説明。区が整備する南北道路と面した商業施設を、2~3年をめどに整備する考えを明らかにした。区の図書館カウンターの設置を検討するという。
世田谷区は下北沢駅前交通広場や駅周辺の通路の整備を急ぐ。鉄道事業者と公共機関が一体的に活用できるスペースでイベントなどを行い、街のにぎわい創出を促す。保坂展人区長は「活気や魅力あふれる街づくりを推進する。3者で協力し地域の特性を生かす取り組みをしていく」と語った。
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