2020年1月15日水曜日

【阪神・淡路大震災から25年】阪神高速会社、震災資料保管庫を一般公開

 阪神高速道路会社は11、12の両日、阪神・淡路大震災で被災した構造物を保管している震災資料保管庫(神戸市東灘区)を一般公開した。2日間で約650人が来場した。大震災から25年を迎え、被災経験継承に加え、一般市民に震災被害を知ってもらい、防災意識を高めてもらおうと企画した。

 特別開館では、阪神高速道路会社の職員ら関係者による被災構造物の説明が行われた。震災当時に復旧対応に従事したOBによる講演のほか、初めての試みとして震災当時当直勤務していた元神戸市消防局員の講演も行われた。見学には、親子連れなども訪れ、被災した構造物に目を見張っていた。

 神戸市消防局指令課係長として発災時に当直していた後藤陽氏は、当時の様子を振り返りながら、「長田区など神戸市の西部で炎上火災が次々に起こり、最悪の事態が発生した」と語り、消防本部で把握しきれないほどの同時多発火災に対応するため、大阪市などの支援を得ながら火災を最優先にして消火活動に当たったことなどを説明した。

 最後に「市民が力を合わせて救出活動に参加してくれた。ほとんどが近隣の方であり、近隣の力がいかに大切かが浮き彫りになった。震災を教訓に消防局としても消防車のホースの延長など消防設備を更新している。震災の教訓が25年たった今でもいろいろな所で活躍している」と締めくくった。

 震災当時に復旧に当たった元阪神高速道路公団の川北司郎氏と出口正義氏が語り部として登場。当時の苦労話を織り交ぜながら阪神高速神戸線の復旧や地震の恐ろしさなどを話した。

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