2020年1月7日火曜日

【安全性と乗り換え利便性が向上】銀座線渋谷駅(東京都渋谷区)、新駅舎に3日から引っ越し

 東京メトロは銀座線・渋谷駅(東京都渋谷区)の新駅舎の供用を3日から始めた。安全性と乗り換えの利便性の向上などを目的に、駅周辺の再開発事業に合わせ、2009年2月から移設工事を行ってきた。

 ホームを乗車と降車が分かれていた相対式から、二つの線路の間に位置する島式に変更。幅は従来の約2倍となる12メートルに拡幅した。

 同日の始発列車出発前にホーム上で式典を開き、関係者が供用を祝った。山村明義社長は「関係各位、工事関係者の尽力に感謝する。街の人に愛され、駅周辺の活性化につながることを期待する」とあいさつした。

 銀座線・渋谷駅は1938年12月に開業した。現在1日に約22万人が利用している。ホームが狭く、上下の移動がありながら階段が多かったが、当時から大規模な改修工事は行えていなかった。新駅舎の整備に伴い、ホームは渋谷駅東側の駅前広場や明治通りの上空に130メートルほど移した。改札は2カ所で、複合施設の渋谷ヒカリエに接続する改札を新たに設ける。2020年東京五輪までにエレベーターで移動できるルートを二つにする。ホームドアも設置する。エスカレーターは2基ある。

 新しい駅舎のデザインは、「フューチャーシティ」がコンセプト。当初はボックス型で計画されたが、圧迫感を和らげるとともに、設置の検討が進むスカイデッキの土台となることを考慮し、M型のアーチ形状に変更することでデザイン性と強度を高めた。ホームは柱のない空間となっており、明るさが感じられるよう内観は白を基調にした。

 設計はメトロ開発が行い、内藤廣建築設計事務所と東急設計コンサルタントが協力した。現場は4工区あり、施工は▽東館工区=東急建設・鹿島・清水建設・鉄建建設JV▽上屋工区=東急建設・清水建設・鹿島JV▽明治通り工区=東急建設・清水建設・鹿島JV▽坑口工区=東急建設・大成建設JV。

 19年12月27日夜から3日早朝まで3回目となる線路切り替え・ホーム移設工事を実施した。今後も空調、床仕上げ、旧駅舎関連の設備などの工事が続くという。白子慎介改良建設部第二工事事務所所長は「JR線の上空で線路を架け替えることで時間が限られ、材料をしっかり搬入し組み立てた」とこれまでの作業を振り返った。三丸力工務部第二建築工事所所長は「ホーム先端やホームドア、仮設の床の整備などを五輪までにしっかり行いたい」と意欲を見せた。

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