2020年1月31日金曜日

【国交省と静岡県が合意】リニア静岡工区、有識者会議設け環境対策議論

 国土交通省と静岡県は30日、JR東海が進めるリニア中央新幹線建設プロジェクトのうち、未着工の静岡工区の環境対策を議論する有識者会議の設置で合意した。

 静岡県の難波喬司副知事が同日、会議設置の前提条件5項目を国交省に提出した。水嶋智鉄道局長(写真左)は「真摯(しんし)に受け止める」と回答。会議の早期開催に向け運営方法などを協議する場を早ければ来週にも設ける意向を示した。JR東海の参加も視野に入れる。

 静岡工区の整備を巡っては、静岡県が県内を流れる大井川など水資源や環境に与えるトンネル掘削の影響を懸念。現時点で着工に至っていない。有識者会議では課題への対策を科学的、工学的な見地から議論する。

 県は会議の設置に当たり、大井川流域市町の首長などの意見を集約し、前提条件を設定した。条件は▽会議の透明性確保(全面公開)▽議題は県がJR東海に提示した協議項目47件とすること▽会議の目的は国交省によるJR東海への指導とすること▽中立公正で、これまでの協議の経緯を踏まえた人材を委員に据えること▽会議のトップを関係者が設置した会議体の委員や利害関係者以外から選定すること-の5項目。水環境や生態系、農業・工業用水などを所管する他省の関与が不可欠と注文を付けた。

 有識者会議の設置は、静岡県が国交省に昨年提出した要請文への回答書(1月17日付)の中で、国交省が提案した。

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