2020年1月8日水曜日

【災害対応優先、国のスケジュール案考慮】熊谷俊人千葉市長、IR誘致見送りを表明


 千葉市の熊谷俊人市長は7日の記者会見で、カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致を見送る方針を表明した。2019年に千葉県全域を襲った台風15、19、21号に伴う災害で多くの被害が発生したのに加えて、21年7月という認定申請に関する国のスケジュール案が想定より短く、「関係者との調整や法に定める手続きに十分な時間をとることができない」と判断した。

 市はIR誘致に関するRFI(情報依頼書)の提出を民間に求めるなど、誘致を巡る調査・検討を重ねてきた。RFIでは8者から情報提供があり、幕張新都心を候補地に建設投資額や年間訪問者数、カジノ事業売り上げに伴う納付金などの経済効果が示された。一方、幕張メッセの老朽化や国際会議場、高級ホテルの不足などが課題に挙がっていた。

 IRの誘致に向け、新日本建設など千葉市内の企業10社は、19年8月に「MICE IR千葉」(代表取締役・金綱一男新日本建設会長)を設立していた。誘致断念の表明に伴い、同社は「解消に向けて動くことになるだろう」(新日本建設法務室)としている。

 国の現行スケジュールではIRを誘致しないものの、千葉市は幕張新都心に関し機能強化や更新など今後の在り方を千葉県と連携して検討する考え。IRを含めた戦略も検討するという。

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