◇建築技術を区政で生かす◇
大学院まで建築の構造を専攻した。先進的な技術を研究する中で、技術の実現には制度の整備も欠かせないと実感。建設関係の企業に進む同級生が多い中、行政機関への就職を決めた。
基礎自治体を選択したのは「自分が取り組んだ仕事で、街が少しずつ変わっていく様子を見守ることができる」と考えたから。事業が完了した後も、一つの街と関わり続けることができる環境に魅力を感じた。
都が昨年5月、街並み再生地区に指定した「新宿駅東口地区」の街づくりビジョンや再生方針の策定に携わった。指定基準に「駅周辺機能更新型」を適用した初の案件。前例がないため検討には苦労したと振り返る。大規模事業が多い新宿では、経験豊富な関係者と仕事する機会も多い。若手の自分を見て「相手を不安な気持ちにさせない」ことも大事にしているという。
今後は「街づくり以外の部署も経験し、区の建築職の仕事を理解したい」と意気込む。区政全体で抱える課題の解決に、建築技術を役立てることが最終的な目標だ。
区と都は2040年代の完了を見据え、新宿駅構内や駅前広場を大規模に再編する「新宿グランドターミナル」計画を進めている。「現在の部署を離れても、さまざまな形で計画を支えていきたい」。学生時代を過ごした新宿の変遷を間近に感じながら、これからも仕事に情熱を注ぐ。
(新宿駅周辺まちづくり担当課、しまだ・ちあき)
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