2020年1月23日木曜日

【星野リゾートが再整備案を提案】茨城県ら、偕楽園周辺エリアの魅力向上策検討

星野リゾートの提案した偕楽園周辺の再整備イメージ
茨城県と水戸市は、日本三大名園として知られる「偕楽園」周辺の魅力向上策を検討している。県から検討業務を受託した星野リゾートは昨秋、ホテルや観光交流拠点、円形ブリッジの配置などを柱とする再整備案を提出。県庁内に設けたプロジェクトチームを中心に具体化する。市も千波湖周辺でPark-PFIを活用した飲食施設などの整備を検討している。県担当者は再整備案をたたき台として「地域の魅力向上へ向け、民間事業者に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 同社の提案は「都市観光なのにリゾート気分を味わえる地 水戸」をコンセプトに、公園全体を▽偕楽園本園と歴史館▽偕楽園拡張部▽千波湖畔-の3エリアに分けて再整備する。目玉は千波湖畔に整備する観光交流拠点「MitoMix」と、回遊性向上策の切り札となる円形ブリッジ「MitoLink」の設置だ。

 MitoMixには、地元産品を提供する飲食や物販店舗が入居。MitoLinkは水戸の新たなランドマーク的施設として、高低差や鉄道で分断された3エリアと中心市街地をつなぐ。全周1・5キロのデッキは歩行者や自転車が通行でき、景観や親水性を考慮して可能な限り水面に近い位置に設置する。

 各エリアの再整備計画では、県歴史館をリニューアルし、オープンスペースの拡充や体験型展示の充実を図る。偕楽園本園も観光客の多い梅の季節だけでなく、通年にわたって楽しめるよう、園内施設の拡充やライトアップなどを行う。偕楽園拡張部では、バーベキュー・グランピング場や子ども向けのアスレチック施設などを整備。点在する駐車場を集約し、全天候型の子どもの遊び場も併設する。千波湖畔の周辺にはMitoMixのほか、商業施設やカジュアルホテル、地域活動拠点となるコワーキングスペースなどを設ける。

 提案に対し大井川和彦知事は「活用できるアイデアはスピード感を持って取り組む」と表明している。

 市は、千波湖周辺の千波公園(敷地面積約73・57ヘクタール)の再整備を目指し、2019年度に民間事業者から意見を募るサウンディング(対話)調査を実施した。レイクサイドボウル跡地、消防学校跡地、せせらぎ広場、西の谷の4エリアに分け、魅力向上策を探った。調査ではカフェやレストラン、温浴施設、博物館などのハード整備、屋形船運航やウオーキングイベントといった企画提案があった。

 県と市は連携しながら魅力向上策の具体化を図る。同社も継続して検討に関わり、偕楽園周辺の再整備を契機とした地域活性化を後押ししていく。

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