2015年7月2日木曜日

【高層・超高層ビルがニョキニョキ】東京23区の大規模建築計画が増加傾向

虎ノ門②-計画の完成イメージ
15年度第1四半期(4~6月)に東京23区で公表された延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築計画は27件と前年度同期より2件増加した。延べ床面積の合計は前年度同期比37%増の126万9177平方メートル。建設コストの高騰の影響などで一時停滞していた民間開発の勢いが、回復基調に向かっていることを裏付ける結果となった。建設コストの高止まり傾向は変わらないが、都心部では東京五輪までの完成を目指す大型プロジェクトも多く、この勢いはさらに増していくとみられる。
 「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき、15年4月1日~6月26日に都で公表された標識設置届を対象に日刊建設工業新聞社が集計した。建築計画が最終的に決定し、近隣への説明や行政手続きに入った段階のプロジェクトが集計対象となり、公共機関が発注した建築計画なども含まれる。

 ◇延べ床面積1万平米超は27件◇

 第1四半期の27件を区別にみると、最も多いのは中央区と港区の4件(前年度同期比2件増)。世田谷区は3件で前年度同期と同水準。千代田、渋谷、練馬、豊島、足立の5区は2件ずつ、江東、江戸川、品川、荒川、台東、中野の6区は1件ずつだった。
 建物の主要用途別では、共同住宅が7件(7件減)、事務所が6件(4件減)。このほか事務所と商業施設やホテルを組み合わせた大規模な複合施設が目立った。大学などの学校施設とホームセンター、国や自治体の庁舎はそれぞれ3件あった。
 延べ床面積別では、1万~2万平方メートルが13件、2万~3万平方メートルが4件、3万~4万平方メートルと4万~5万平方メートルが2件ずつ、5万~6万平方メートルと9万~10万平方メートルが1件ずつだった。
 延べ床面積10万平方メートルを超える超大型開発は4件あった。そのうち最大規模は、ホテルオークラが港区で進める総延べ18・3万平方メートル規模の「(仮称)虎ノ門2-10計画」。高さ195メートルの高層棟と、85メートルの中層棟の2棟構成で、設計は大成建設、日本設計、森村設計、NTTファシリティーズ、谷口建築設計研究所、観光企画設計社の6者が担当している。9月から大成建設の施工で既存解体工事に入る。

 ◇都内の民間建築、回復基調が鮮明に◇

 三菱地所、東京会館、東京商工会議所が丸の内で進めている既存ビル3棟の共同建て替え事業「(仮称)丸の内3-2計画」では、延べ17・4万平方メートル規模の複合ビルの建設を計画。現在、大成建設の施工で富士ビルなどの既存ビルの解体工事を行っており、11月中旬に本体着工の予定だ。設計は三菱地所設計が担当している。
 日本橋では、日本橋室町三丁目地区市街地再開発組合が延べ床面積16・8万平方メートルの「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業A地区新築工事」を計画。12月に本体工事に着手する。基本設計は日本設計、実施設計・施工は特定業務代行者の鹿島・清水建設・佐藤工業JVが担当する。
 もう1件は、三井不動産、三菱地所が港区のJR田町駅東口で計画する延べ14・9万平方メートル規模の「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト(A棟・ホテル棟新築工事)」。設計は三菱地所設計と日建設計のJVが担当。大成建設の施工で9月に着工する予定だ。

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