2015年5月29日金曜日

【壁を打ち破れるか】建設コンサルの海外展開、目標設定と戦術・戦略の立案実行不可欠

 大手を中心に建設コンサルタント各社はここ数年、海外事業の拡大を経営課題の一つに位置付けてきた。これまで培ってきた技術力を生かし、アジア地域などに対し官民一体でインフラ輸出を進める動きも続く。高水準で推移してきた国内の受注環境について、「峠は越えた」と見るトップは多く、業績を下支えする分野として海外を重視する傾向は、今後ますます強くなるとみられる。日本のコンサル企業の海外事業拡大には何が必要なのか。  ◇競争力強化へ抜本改革必要◇  建設コンサルタンツ協会(建コン協、長谷川伸一会長)など建設コンサル関係5団体が毎年集計している受注実績によると、会員会社の海外受注は2005年の500社・128億円から、06年は484社・268億円、07年は438社・313億円と推移。11年は391社・469億円、12年・387社で357億円となった=グラフ参照。  ただ、この数字には国際協力機構(JICA)などが国内で発注する調査、計画立案といった業務が多く含まれ、海外の政府機関や現地企業などから...

【回転窓】後世に問題残すな

 後世に問題を残してはいけない。2020年東京五輪までには解決しなければ-。建設投資が上向き、工事が活況を呈する中でもこうした危機意識が業界内に漂う▼産業を持続させていくには、若い人材を確保し、定着してもらうことが何より重要だが、少子化と人口減少が進む中、他産業との間での人材の奪い合いは不可避だ▼この2年の間に、設計労務単価は3度引き上げられ、「担い手3法」の本格施行を中心に各種施策も矢継ぎ早に打ち出された。疲弊した建設業界に追い風が吹く状況にあっても、将来を見据えると不安はぬぐい切れない。日本建設業連合会(日建連)の長期ビジョンも、これから起こる業界全体の課題を見据えた方向性を示している▼先日、総会を開いた専門工事団体のトップは、社会保険加入促進などここ数年の取り組みをめぐり、「今解決しておかなければ、若者はもうこの産業に入ってこないだろう」と述べ、活動に積極的に参加するよう傘下会員にげきを飛ばした▼総会シーズンが続いている。足元を固めながら、将来に向けて何に取り組むかを...

【技術力は日本の宝】土木学会東北が14年度総合技術賞決定

 土木学会東北支部は、14年度の総合技術賞などの受賞者を決定した。総合技術賞にはJR東日本東北工事事務所の「仙石線陸前大塚・陸前小野間かさ上げ復旧工事」と、東北電力の「新仙台火力発電所第3号系列新設工事」の2件が選ばれた。技術開発賞には3件が、研究奨励賞は8件がそれぞれ選定された。29日に開かれる支部総会に合わせて、表彰式が行われる。 JR仙石線陸前大塚~陸前小野間かさ上げ復旧工事  仙石線陸前大塚・陸前小野間かさ上げ復旧工事は、東日本大震災で被災したJR仙石線の移設区間から、鳴瀬川橋梁につながる既設高架橋の縦断勾配変更などと、新高架橋の構築を行った。既設高架橋のかさ上げを実現するために、柱の曲げ耐力不足を補強する構造を開発するとともに、施工に伴う主桁の切断や、部材の一体化など多くの課題を解決したという。既存高架橋を再利用することで、工期の短縮や撤去費・新規投入材料の削減といった経済効果も得られた。柱の曲げ補強方法は汎用性があり、広く適用できるという。 新仙台火力第3...

【なるか、新幹線技術輸出】タイ高速鉄道計画で国交省が事業化可能性調査

FS実施の覚書を交換した太田国交相㊨とブラジン運輸相 (5月27日、東京・霞ヶ関の国交省で)  ◇バンコク~チェンマイ間、総事業費1兆円超のビッグプロ◇  国土交通省は、タイの首都バンコクと北部の都市チェンマイを結ぶ高速鉄道計画(延長約670キロ)で、日本の新幹線システムの導入を前提とした事業化調査(FS)を近く始める。太田昭宏国交相とタイのプラジン運輸相が27日付でFSの実施などを盛り込んだ覚書に調印した。同省によるとJR東日本、日立製作所、三菱重工業、三井物産の4社が事業参画に関心を寄せているという。  計画では、バンコク~チェンマイ間に専用軌道を新設。現時点で総事業費は1兆円超に上る見通しだ。国交省によると、同区間はほぼ平地を通るため、日本の建設会社の施工技術を生かしやすい長大橋や山岳トンネルを建設するニーズは低いという。  FSでは、詳細な軌道や駅の位置、事業手法、事業スケジュールなどを検討する。  国交省は今回の高速鉄道計画を契機に、タイで計画される鉄道の建設事業全...

2015年5月28日木曜日

【マジンガーZの基地か!?】米国で超安全なコンドミニアム開発、即完売のおまけ付き

さすが米国、やることが違う  ◇20XX年、地球滅亡の危機・・そのとき人類はー◇  映画「ターミネーター」シリーズや「北斗の拳」に親しんだ世代としては、子供のころ誰もが「全面核戦争が起こったらどうしよう・・」と不安になった記憶があるのでは。(ノストラダムスの大予言というのもありましたね)  その悩みに本気で取り組むビジネスマンが米国にいる。ラリー・ホール氏は、カンザス州の草原にある冷戦時代に作られた米軍の核ミサイル地下貯蔵庫を、サバイバル用高級コンドミニアムに作り替えて売り出した。最大2.7メートル厚さのコンクリート壁で守られた深さ50メートルの地下空間は、核攻撃から気候変動にまで対応可能。価格は1ユニット150万ドルから。物件が特殊過ぎてローンは組めないので、支払いはキャッシュオンリーとのこと。第一弾プロジェクトはすでに完成し、完売したという。どんな心配性のセレブが購入しているのか気になるところだ。  150万ドル(3~5人用、約90平米)~300万ドル(6~...

【回転窓】復興予算と公平性

5月19日に開かれた東北市長会でも財政支援のあり方で国への不満が相次いだ  東日本大震災の復興事業で、15年度で終了する集中復興期間後の国の財政支援をどうすべきか。基幹事業以外には地方負担を求めるという政府方針が示され、議論が大詰めを迎えている。「一部負担など絶対に譲れない」。福島県内のある首長は怒りをあらわにする▼被害が軽かった地域では全額国費で事業が完了する。一方、被害が甚大だった地域では、事業着手まで時間がかかっているために、結果的に地方負担を余儀なくされる。政府の案には、厳しいところほど損をするような構図があることも事実▼とはいえ、すべてを国費で賄うことが本当に公平かとの指摘もある。被災地の別の首長は「地方負担は復興を確実に減速させる」と懸念を示しつつも、「かなり過度な地域振興策を進めているところもある」と明かす▼無駄は省いてほしいが、困っている被災地はしっかり助けてほしい-。そういう気持ちが多くに共通するのではないか▼一律の線引きが最適解を導くとは思えない。落としど...

【白鷺城がより魅力的に!?】姫路市が姫路城「中曲輪」の施設整備方針

白鷺城の名の通り、真っ白な外観が美しい姫路城  兵庫県姫路市は、国宝姫路城の内堀と中堀の間に位置する「中曲輪」の施設整備に向けた方針の素案を公表した。新たに導入する展示・学習機能と情報発信機能を備えた「世界遺産・姫路城ミュージアム(仮称)」については、3カ所の建設候補地の中から桜門橋近くの大手門駐車場(約2万5700平方メートル)が最適とした。  ミュージアムは、大手門駐車場の東エリアに新設し、城郭博物館や郷土歴史博物館、姫路城ビジターセンターなどを備えるため計画された。  姫路城や城下町に関する展示・学習や文化財の保存継承の意義の普及・啓発、姫路市の文化観光案内などさまざなま機能も持たせる。 ミュージアムの建設予定地  北側にある日本城郭研究センターは、姫路城ミュージアムとの役割分担を図りながら機能を強化し、城郭研究室と城内図書館を設けて近世城郭に関する調査・研究などを進める。  城内の回遊性を向上させるため、休憩施設や回遊路の整備も計画し、管理運営は、民間活力の導入...

【快適トイレでお出迎え&お見送り】成田空港会社が第2PTBトイレ改修で新たな試み

先行開設した第2PTBの「GALLERY TOTO」の個室トイレ。今や高機能トで美しいイレは日本のお家芸!? 成田国際空港会社は、成田空港第2旅客ターミナルビル(PTB)のトイレの大規模改修に乗りだす。供用開始から23年が経過し、トイレに対する意識やニーズも大きく変化していることを踏まえ、現在の空港トイレの使われ方を研究した上で、その成果をデザイン・設計に反映させる。27日に設計関連業務の委託先を決めるプロポーザル手続きを公告した。  発注する業務は「2PTBトイレリニューアル基本・実施設計その1」。エントリーシートなどは6月5日まで、提案書は7月8日まで空港運用部門施設保全部建築グループ(電話0476・34・5681)への持参で受け付ける。書類審査の合格者を対象にプレゼンテーション審査を行い、7月21日までに契約候補者を決める予定。  契約候補者との最終的な仕様内容と見積もり価格の交渉を経て契約を交わす。概算額は2500万円(税込み)。その1業務の受託者に、今後発注を予定す...

【16年度開通へ工事最盛期】NEXCO西日本が新名神・城陽~八幡区間の現場を公開

大型移動支保工による桁架設の様子(京田辺高架橋付近)  西日本高速道路関西支社は26日、新名神高速道路の京都府域(城陽~八幡間3・5キロ)の建設現場を報道陣に公開した。主に平野部を通過するルートのため、8割以上が高架橋や橋梁で、16年度の開通に向けて八幡ジャンクション(JCT)や京田辺高架橋、木津川橋、城陽JCTの建設工事が最盛期を迎えている。  関西支社では大津~神戸間(4区間、約79キロ)で事業を展開中。城陽~八幡間とともに、高槻~神戸間40・5キロも16年度の開業を目指す。12年4月に事業認可された大津~城陽間25・1キロと八幡~高槻間10・7キロでは、用地取得に向けた調査や設計段階にある。一部で用地取得を完了し、本年度から工事用道路などの準備工事を発注する。  今回訪れた城陽~八幡間(城陽市寺田金尾~八幡市美濃山荒坂)は、延長3・5キロのうち約3キロが高架橋・橋梁で、全体の進ちょく率は約40%。  新名神と第二京阪道路とを接続する八幡JCTでは、下部工(橋台・橋脚41基...

【地域の安全、見守ります】群馬建協が災害情報をSNSで発信

ツイッターで公開した現地パトロールの様子(5月25日に首都圏で発生した地震後)  群馬県建設業協会(青柳剛会長)が運営する新たな災害情報共有システム「ぐんケン見張るくん」が、25日に発生した埼玉県北部を震源とする地震で有効に機能した。県内各地にいる協会員から送られてくるパトロール結果の報告をシステム内に蓄積し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のツイッターを通じて一般市民向けにも情報を提供する。今回の地震で道路構造物などに異常は検知されなかったが、正確な情報発信が安心感を与えるのに役立った。  25日の地震発生後、群馬県と結ぶ災害協定に基づき各支部に割り当てられた箇所を協会員が自主的に点検し、同システムに情報を寄せた。震度4を記録した伊勢崎や、前橋、渋川、桐生の各支部がパトロールに出向き、「異常なし」の情報がツイッターを通じて提供された。  地震に対応して初めて機能した新システムについて、青柳会長は「発生後すぐにパトロールに出向くなど、地域の建設業者の役割を果た...

2015年5月27日水曜日

【建設業の魅力、どう伝えるか】関東整備局が学生向け就業体験で工夫凝らす

◇大規模工事現場で実習、若手の女性技術者を指導員に◇  担い手確保が待ったなしの課題となっている建設業界。新規入職者を呼び込むための取り組みは受発注者でさまざまだが、関東地方整備局は、各出先事務所の特色を生かしたインターンシップの実施に力を入れている。大規模工事を抱えている事務所は、現場監督の醍醐味(だいごみ)を伝える実習を行い、入省希望者の増加を図る。若手の女性技術者を指導員に起用して、建設業が女性も活躍できる産業であることをアピールする事務所もある。  国の行財政改革の一環として、関東整備局の新規採用の定員は最近まで大幅に抑制されていた。10年度は50人だった事務・技術系を合わせた採用者数は11年度から激減し、13年度は1桁にまで落ち込んだ。行き過ぎた抑制措置が見直され、採用が40人台に回復したのは昨年度のことだ。  ◇遠ざかっていた距離、どう縮める◇  これまで、関東整備局のインターンシップに参加した学生は、11年度が23人(計15事務所)、12年度が32人(計19...

【どうなる新国立競技場】舛添要一知事「オールジャパン体制で」

 ◇設計者・施工予定者の積極的な関わり求める◇  東京都の舛添要一知事は26日の記者会見で、国が都に建設費の一部負担を求めている新国立競技場について、文部科学省の対応を批判した上で、「時間が限られているのだから、官民含めオールジャパンで取り組まなければ解決しない」と述べ、設計者、施工予定者に対しても、技術面から見た必要な建設費や工期内での完成の可能性など積極的な情報公開を求める考えを示した。  舛添知事は、文科省が都に対して500億円程度の費用負担を求めたことについて「法的に東京都が出せるのは50億円。500億の根拠は何もない」とあらためて批判。「文科省に任せていては解決しない。解決するためには、安倍晋三首相自らが政府機関を総動員して取り組む必要がある」と官邸主導によるオールジャパンの体制構築を求めた。  その上で、「良いものをつくるために建設費が膨らむのは理解できる。ただ建設費をかけるなら、工期内に間に合わせるべきだ」と指摘。設計者、施工予定者に対しても建設費や完成見通しな...

【回転窓】末は博士か大臣か

 時代の移り変わりと共に言葉や言い回しもはやり廃りを繰り返していく。日本が高度成長期だったころ、勉強ができてしっかり者の子どもがいれば、褒め言葉のフレーズは「末は博士か大臣か」だった▼大学院に通う人が多くなって博士の人数は昔より増えているだろう。大臣はイメージそのものが変わったように思う。そんな中で、偉い人の一角に加わるであろう会社の社長について面白い調査結果がある▼民間信用調査会社の東京商工リサーチが行った14年版全国社長姓名調査によると、日本の社長で最も多い同姓同名は「佐藤誠」で、その数は174社。2位は「鈴木隆」(168社)、3位は「鈴木茂」(151社)と続く▼佐藤や鈴木という姓はもともと数が多いので上位に来るのは当然か。1957(昭和32)~78(同53)年に生まれた男の子の名前で「誠」は通算18回首位になった▼明治安田生命の調査で、昨年生まれた男の子の名前で1位は「蓮」、2位は「大翔」、3位は「陽向」。半世紀後には、佐藤蓮社長や鈴木大翔社長がたくさん誕生しているかも。身近にいたら「末は社長か…」と期待を。...

【ターニングポイント】エーアンドエーマテリアル・中村勇二社長

 ◇失敗を重ねて学ぶ◇  「海外での職務経験が今も生きている」と語るのは、エーアンドエーマテリアルの中村勇二社長。日本セメント(現太平洋セメント)で海外部門に所属していたころ、主に中国や東南アジアのセメント工場でセメントの受け入れから出荷まで一貫した作業をこなしたことが、「人間的にタフになったきっかけ」という。  日本では、自分に割り振られた仕事を行うのが普通だが、「海外ではそれが通用しない」。人的資源が限られる中、担当外の仕事を支援することも多く、「どんな仕事でも自分なりに解決する必要があったし、何でも知っておく必要があった」と当時を振り返る。  若手技術者に伝えたいのは「失敗を重ねないと学ぶことはできない」ということ。「情報を簡単に多く入手できる時代だからこそ、それを知識に変えるためにも、失敗して理解していってほしい」とエールを送る。...

2015年5月25日月曜日

【凛】東京メトロ鉄道本部改良建設部改良建設企画課・宇野孝英さん

 ◇夢追いながら後輩のモデルに◇  4年前の就職活動中に起きた東日本大震災。直後、東京の鉄道網はすべてストップ。復旧に取り組む鉄道各社の中でも、東京メトロの安全確認から運転再開までの対応の速さに感動した。  大学では土木工学科を専攻した。電気設備関係の企業に勤める父親は、停電になると夜中でも復旧現場に出向いた。そんな姿を見ているうちに、人の暮らしに欠かせないインフラ整備に関わりたいと思うようになったという。  入社後は改良建設部門に配属され、東西線大手町駅周辺の改良工事を担当。再開発事業に合わせ、階段やエレベーターなどを整備した。日本有数のビジネス街で乗降客も多い。工事ヤードを十分に確保できず、作業も終電後、始発までの数時間に限られた。厳しい条件下でゼネコンや関係部署の人たちと協力しながら工事を安全、確実に進めた。「苦労が多かった分、新しいエスカレーターをお客さまが使っている姿を見た時は感激した」と振り返る。  現在は駅舎のバリアフリー化を担当。仕事のやりがいに規模の大小は関...

【中堅世代】それぞれの建設業・95

一律の取り組みでは女性活躍の場は広がらない・・・  ◇男性本位の価値観から脱却を◇  建設業に女性の活躍の場を増やそうとの機運が高まる中、そうした風潮に冷めた目を向ける人もいる。  建設会社の管理部門に長く勤務する中野智子さん(仮名)。男社会の建設会社ではこれまで、現場勤務の女性技術者はごく少数。女性社員の大半は事務職が占めてきた。それなのに、業界で最近盛り上がりを見せている女性活躍推進の取り組みには、現場で働く女性技術者・技能者への支援ばかりが目立つと中野さんは感じている。  事務職で頑張っている女性社員を社内報で紹介したら、「『けんせつ小町』ではない」と周囲から指摘された。「事務職・技術職を問わず、女性社員への評価や女性の働き方が男性本位で決められている」。そんな不満がある。  十数年前、学生時代の就職活動は超氷河期。4年制大学を出た女子は特に厳しく、周囲には就職できない人も多かった。他の業界を志望していたがかなわず、最後は知り合いに紹介してもらった今の建設会社に一般職...

【サークル】JFEエンジ・自転車部

 ◇「趣味も仕事も全力、サイクルツリーもPR」◇  14年夏と発足して間もないのが、JFEエンジニアリングの自転車部「cyclengineer~チャリ園児~」。会社公認のサークルで、14年度の新入社員と、同社の機械式立体駐輪場「サイクルツリー」を手掛ける代表の金内常和さんが意気投合し設立した。現在は、技術系社員7人と関連会社社員1人の計8人で活動している。  「趣味も仕事も全力で」がモットー。月1回の定例走行会に加え、全国各地で開催される自転車イベント(大会)へも積極的に参加している。趣味の自転車を楽しみながら、活動を通じて自社のサイクルツリーを売り込み、放置自転車対策や駐輪場不足の解消にも貢献したい考えだ。  「観光も兼ねたツーリングなど楽しいイベントを増やしつつ、サークルを大きくしていきたい」と金内さん。結成後間もないサークルだが、各地で行われる大会に協賛・参画することが、「活動を楽しむだけでなく、サイクルツリーのPRに結び付くのでは」と期待を抱いている。  今後の活動予...

【駆け出しのころ】りんかい日産建設常務執行役員東京土木支店長・塚本喜之氏

  ◇隣の人のこともよく考え行動を◇  海のない県で育ち、初めて海水浴に行ったのも小学5年になってからでした。このため、小さいころから海に対する憧れのようなものを持っていました。就職先に海上土木を得意とする会社を選んだのも、きっとそうした憧れがあったからだと思います。  最初に配属されたのは仙台支店の事業所です。事務所に併設されている宿舎に寝泊まりし、朝一番に事務所へ行って掃除をするのが一日の始まりでした。同じ事業所に同期生が一人いましたので、その彼と二人で眠い目をこすりながら一生懸命に掃除をしていたのが思い出されます。  新人ですから覚えることばかりだったのですが、測量だけは別でした。学生時代に測量事務所でアルバイトをしていた経験が生き、最初から現場で実施する一通りの測量はこなすことができました。  この事業所には入社以来、十数年にわたって勤務しました。この間に堤防や護岸、浚渫といった海上土木だけでなく、河川や道路、造成などの陸上土木の工事にも携わり、土木技術者として大変に...

2015年5月22日金曜日

【キーパーソン】前田建設・吉田純也氏

「隊の目的は災害の未然防止」と話す吉田隊長  ◇MRT第3期隊長に就任◇   前田建設の職員でつくるトンネル建設現場の救護活動隊「マエダ・レスキュー・チーム(MRT)」。結成8年目を迎える今年、第3期隊長に就任した。「これまでは自分たちの技術を磨くことに専念してきた。培ってきた技術やノウハウを社内にどう伝えていくかが今後の課題」と話す。  MRTは、過去に同社のトンネル工事現場で発生した災害を教訓に、07年に当時社長だった前田靖治相談役の発案で設立された。社長直轄組織で、万一の事故発生時に出動要請が出され、作業中の坑内火災などで逃げ遅れた人の捜索や救護を行う。  メンバーは25人で、トンネルやシールド工事の現場に勤務する職員が大半。年2回の集合訓練で救護技術を向上させるとともに、チームワークを醸成している。国内で唯一営業採炭を続ける北海道の釧路コールマインの模擬坑内で実施する訓練は、酸素呼吸器を装着し、150度以上という高温濃煙下、視界ゼロという状況で行われる。 ...

【建築設備技術遺産】建築設備技術者協会が5件認定

1978年に手作りされた設備設計のコンピュータ 建築設備技術者協会(田辺新一会長)は、建築設備の「技術」「役割」「文化」を多くの人たちに知ってもらうことを目的に創設した「建築設備技術遺産」の15年度認定遺産を決めた。認定委員会(委員長・鎌田元康東大名誉教授)が「設備設計支援手造りマイクロコンピュータ」(菱機工業新潟支店)など5件を建築設備技術遺産に選定した。認定式は、6月24日に東京都港区の明治記念館で開く総会の終了後に行われる。  建築設備技術遺産に認定された5件のうち、「設備設計支援手造りマイクロコンピュータ」は、まだパソコンが普及していない1978年から設備設計の効率化を目指して製作されたコンピューター。空調熱負荷やランニングコストの計算プログラムも自社開発して設計業務に活用していたという。早くからコンピューターの有効性に着目して開発、活用した点が評価された。 国産初の高級衛生金具(炊事流し用水栓㊤と壁付き紙巻き器) 今回認定された5件と管理者は▽設備設計支援...

【快適な駅づくり推進】首都圏主要民鉄の15年度設備投資計画出そろう

 ◇ホームドア設置など拡充◇  首都圏の民間鉄道各社の15年度設備投資計画(鉄道事業)が出そろった。8社の投資総額(見込み)は1864億円。14年度は公表していない京王電鉄を除く7社で比較すると、投資総額は前年度比8・6%増加した。東日本大震災以降に注力してきた防災・減災対策に加え、ホームドアの設置やバリアフリー設備の増設、駅舎のリニューアルなど安全・快適な駅施設の整備を推進する動きが目立ってきた。  計画を公表したのは、▽東武鉄道▽小田急電鉄▽京王電鉄▽京浜急行電鉄(京急電鉄)▽東京急行電鉄(東急電鉄)▽京成電鉄▽西武鉄道▽相鉄グループ-の8社。8社のうち投資規模が昨年度比10%以上増加したのは、東急電鉄、小田急電鉄、相鉄グループの3社だった。  各社とも鉄道構造物の耐震補強工事を中心とした防災・減災対策を引き続き推進。耐震化率は順調に上昇し、京成電鉄はトンネル中柱の耐震補強を年度内に全線で終えるとしている。  耐震化の取り組みをさらに強化する動きもある。東急電鉄は、高架...

【きっと感動したろうな・・・】東北整備局がトンネ現場で貫通の瞬間を公開

トンネルに光が差し込んだ瞬間 ◇貫通の瞬間に歓声/施工は安藤ハザマ◇  東北地方整備局が建設を進めている相馬福島道路(霊山道路)の国道115号馬舘山トンネル(仮称)の現場(福島県伊達市)で19日、地元の小学生や住民を対象とした見学会が開かれた。トンネルの貫通の瞬間を地域住民にも体感してもらおうと同局が企画したもので、伊達市立小国小学校と月舘小学校の5~6年生など約100人が参加した。ブレーカーでトンネルの最後の部分を掘り進めて、貫通した先から光が差すと、参加者から「おお!」「すごい!」といった歓声が上がった=写真。拍手と共に万歳三唱を行って、無事の貫通を祝った。  同トンネルの施工は安藤ハザマが担当。菅原一智現場代理人は「実際にトンネルが貫通する瞬間を見てもらう機会はなかなかない。喜んでもらえて良かった。現場一丸となって早期に完成させたい」と施工への思いを語った。  ◇「とても感激した。道路ができるのがうれしい」と地元の方◇  参加者はトンネルの概要や施工方法、使用重機...

【回転窓】「後の先」の外交交渉

 太平洋を取り巻く国々で自由貿易圏をつくる環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の日米協議が大詰めを迎えているとされる▼安倍首相が交渉への参加を表明したのは13年3月。各国が枠組みを固めつつあったころだ。出遅れながら長期間の交渉に持ち込んだ日本政府の粘り腰は一応評価に値するだろう。外交交渉で最も大事なのはいうまでもなく国益。それを意識した交渉を今後も期待したい▼TPP交渉と並行し、需要が急増するアジアのインフラ整備をめぐる主導権争いが激しくなっている。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を見送っている日本が打ち出した一手は、アジア各国へのインフラ資金の援助だ。AIIBが計画する資本金と同額の1100億ドル(13兆円)を5年で投じるという▼戦前の名横綱・双葉山が極めた取り口が「後の先」。相手に先に立たせ、当たり合った後には逆に勝負を有利に運ぶ形になっていたという。アジアのインフラ整備でも日本はTPPのように「後の先」といけるか▼AIIBに参加するのはTPPの5倍近い58カ国。外交力の真価が問われる。...

【首都高大規模更新】築地川区間で沿道開発と一体実施検討へ

大規模更新が計画されている築地川区間(新金橋付近) ◇沿道開発と一体整備へ◇  首都高速道路会社は、首都高速道路の大規模更新事業の一環で、都心環状線の築地川区間(東京都中央区銀座~新富町、延長1・2キロ)の施工計画の検討に本格着手する。道路施設の更新と沿道開発との一体的な事業を視野に、線形や構造・施工法などの検討を進める。コンサルタント業務は千代田コンサルタントが担当。現時点の更新計画では2020年東京五輪後の着工を予定している。都心環状線の築地川区間(幅員3・25メートル×4車線)は半地下の掘割構造。供用開始から50年以上が経過し、擁壁部のコンクリート剥離や鉄筋の露出・腐食などの損傷が多数発生している。  首都高速会社がまとめた更新計画によると、工事期間中は内回り・外回りそれぞれ1車線以上を使用しながら、現行基準に適合した擁壁への取り換えなどの更新工事を段階的に進める。築地川を干拓して川底に道路を構築した同区間では、急カーブが連続して交通事故が多発しているため、線形も見直...

2015年5月20日水曜日

【回転窓】建設業界の「特別な日」

 米大リーグで活躍するイチロー選手(マーリンズ)が18日(現地時間)の試合で2安打を放ち、伝説の強打者ベーブ・ルースの通算安打数に並んだ。数々の快挙を成し遂げてきたイチロー選手の功績は、日本の私たちに大リーグをより身近に感じさせてくれた点でも大きい▼そんな大リーグに今年も特別な日が近づいている。米国で5月の最終月曜日はメモリアルデーと称される「戦没将兵追悼記念日」。この日の試合に、各球団の選手は特別仕様の帽子やユニホームで臨む。普段とは違うユニホーム姿を楽しみにしているファンも多い▼建設業界でも大リーグのように特別な一日をつくりたい-。先日、ゼネコンに勤める40代の方からこんな意見を聞いた。一日だけの作業着を作るのは難しいとしても、夢が膨らむ提案だ▼建設現場は多くの市民の目に触れる場でもある。そこで働く人に着目した業界を挙げての取り組みは面白く、何よりも提案してくれた建設マンのユニークな発想に好感が持てよう▼何のために実施し、コストはいかに。そんな無粋なことは言わず、いつが「特別の日」かを考えるだけでも楽しい。...

【デザイン一新】飛島建設が新しいヘルメット/25年ぶり、機能性も向上

右がノーマルタイプ、左はトンネル工事用のヘルメット 飛島建設は、工事現場でかぶるヘルメットのデザインを25年ぶりにリニューアルした。白色をベースに、前面に「TOBISHIMA CORPORATION」の文字と社章を付けた。側面にはキャッチフレーズの「防災のトビシマ」「建ててから始まる真のお付き合い」をそれぞれ表した青色と水色の2色のラインを対称に配置した。  デザインの変更に伴い、機能性も一段と向上させた。従来の発泡スチロール製の衝撃吸収ライナーに代え、ヘルメット内部の空間を広く確保できるタニザワ製のブロックライナーを装備。通気孔を設けたことで、熱が逃げて涼しくなり、熱中症対策としても有効という。  前面に青色の透明ひさしを付け、広い視野を確保しながら紫外線をカットできる。ひさし周縁部の溝は雨天時の雨だれを防ぐ効果があり、側面からの防護性も高めた。  これまで現場ごとに異なっていたJVスポンサー用のヘルメットもデザインを統一。JV用、トンネル工事用含む1400個を全国の現場など...

【新しいランドマークは19年度完成予定】森トラスト/虎ノ門パストラル跡地開発の計画名は「ワールドゲート」

ワールドゲートの完成イメージ 森トラストは、東京都港区の虎ノ門パストラル跡地(虎ノ門3、4、敷地面積1万6300平方メートル)で計画している大規模複合開発の計画名称を「虎ノ門トラストシティ ワールドゲート」=完成イメージ=に決めた。東京の国際都市機能の中枢を担い、「世界に向けた門」を目指すという思いを込めた。  近く施工者を決め、既存の地下構造物の解体を経て16年1月に本体着工する予定。19年度の竣工を目指す。設計は安井建築設計事務所が担当している。  建物の規模は地下4階地上36階建て延べ約21万平方メートル。主用途はオフィス。六本木・虎ノ門エリアの国際拠点化を目指して高層部に外国人向けのホテルやサービスアパートメント、低層部に多言語対応の医療・生活支援施設や日本文化を海外に発信するための産業育成施設などを設ける。...

【子どもたちに建設業の魅力を】徳島県が担い手確保へ出前講座開始

写真や絵を使って建設の仕事を紹介しているパンフ 徳島県は、建設業の重要性や魅力を紹介し、将来の担い手確保につなげようと小学生を対象にした出前講座「社会を支える建設の仕事と防災」を始めた。小学校の総合学習に利用できるパンフレット「建設のしごと」も作成した。  建設業では、技能労働者の高齢化や若年入職者の減少による担い手不足が深刻な問題となっている。出前講座は、生活を便利で快適にするとともに、台風や地震・津波などの災害から命と財産を守る建設業の重要性と魅力を小学生に紹介し、建設業に進む人材を増やすのが目的。  講座の対象は県内の小学校4~6年生。県土整備部の職員が講師を務める。内容は橋の造られ方を例に計画や設計、用地買収、工事、維持管理の各段階での仕事の内容を説明。小学生がアーチ橋模型の組み立てを体験し、その強さの秘密などを学ぶことで建設業に興味を持ってもらうコーナーもある。このほか、県内にある建設物の紹介もする。  防災学習では、南海地震による被害の大きさや避難の大切さを伝えるほ...

2015年5月19日火曜日

【どうなる地下鉄大江戸線延伸】交政審答申に向け正念場/沿線4区市が街づくり計画検討

都営大江戸線の延伸想定ルートと駅位置 都市高速鉄道12号線(都営地下鉄大江戸線)の延伸促進活動を進めている東京都と埼玉県内の4区市(東京都練馬区、埼玉県新座市、東京都清瀬市、埼玉県所沢市)が、新駅設置が想定される地区の街づくり計画を検討している。今後の首都圏の鉄道整備について検討している交通政策審議会(交政審、国土交通省の諮問機関)が今夏、15年度中の答申に向けて関係自治体へのヒアリングを行う予定で、各区市の延伸促進活動も正念場を迎える。  ◇東京都練馬区でまちづくり構想の検討が加速◇  大江戸線延伸計画は、現在の終点の練馬区光が丘から大泉学園町を経て埼玉県内のJR武蔵野線までを結ぶ構想。練馬区内で想定されている新駅は、土支田、大泉町、大泉学園町の3カ所(駅名はいずれも仮称)。区は「今までは駅周辺の整備イメージを示すことが不十分だった。本年度は地元との対話を重ねながら駅前広場、拠点となる施設など周辺整備の具体的な構想づくりを重点的に進めたい」という。  土支田、大泉町の各駅...

【回転窓】上位20%の大量消費

 一部の酒好きな人がたっぷり飲み、そうでない人はあまり飲まない-。日本人のお酒の飲み方にはそんな集中傾向があるそうだ。周囲を見渡してみると、確かにうなずける点があるように思われる▼先日、経済協力開発機構(OECD)が加盟国など40カ国の飲酒事情について調べた報告書の内容を外電が伝えていた。それによると、日本は2012年の1人当たり年間飲酒量が純粋アルコール換算で7・2リットル。調査対象国平均の9・1リットルを下回って31位だった▼一方、酒量の多い上位20%の国民が全体の何割を消費しているかを調べたデータでは日本は約70%。ハンガリー、米国に次いで3位だった。簡単に言うと、一部の大酒飲みが大量消費をしている構図である▼ちなみに後者のランキングでフランスは最下位。ワインを飲む習慣が国民に広く根付いているために、酒量の個人差が極めて少ないらしい。もちろんフランスにも大酒飲みはいようが、日本より大人びた飲み方に見えてちょっとうらやましい▼仕事の後のビールが一段とおいしい季節。ついもう1...

【ターニングポイント】三菱地所設計・大内政男社長「ヨーロッパの街並みに感銘」

 「大学生の時、ヨーロッパへ2カ月間の一人旅をし、建築や街並みに対するイメージが変わった」と話す三菱地所設計の大内政男社長。古い建築物と新しい建物が共存する美しい街並みに感銘を受けたという。  当時、日本は高度経済成長期。新しいビルや建物が次々と建設され、街並みが一気に変容。個性的でありながら統一感のある欧州の街並みとは対照的に、画一的な建物が立ち並び、統一感もないと評される街ができてしまっていた。  三菱地所グループは創業以来、東京・丸の内地区の開発を手掛けてきた。統一感のある街並みづくりや魅力的な店舗誘致などにより、休日も多くの観光客が訪れる観光スポットに生まれ変わった。  丸の内再生のカギは「企業と行政、市民の3者が一体となったこと」という。企業だけでなく、地元の行政や住民と一緒に取り組むことで長く愛される街がつくれると強調。「今後も美しいまちづくりに貢献したい」と語る。...

【分かっていたことだが・・・】外勤者の長時間労働、依然常態化/1カ月平均は10年ぶり60時間下回る/日建協調査

現場に勤務する技術者の長時間労働は改善される気配がない   日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、植村芳輝議長)が加盟組合員約1万人を対象に行った「2014時短アンケート」(詳細版)によると、1カ月の平均所定外労働時間は58・3時間(前年63・1時間)で、10年ぶりに60時間を下回った。ただ外勤建築系職員は82・3時間(87・3時間)、外勤土木系職員は79・7時間(82・5時間)と長時間労働が常態化。外勤者の3割は100時間以上に達し、休日の所定外労働時間が長かった。  調査は、14年11月に実施。加盟組合のうち1万1214人(平均年齢39・2歳)、外勤者6142人、内勤者5053人が回答した。日建協は調査結果を基に、労働時間短縮と同時に休日の増加を関係機関に働き掛ける。  ◇月100時間以上の時間外労働、建築・土木とも3割超◇  調査結果を見ると、所定外労働時間は外勤建築、外勤土木、外勤事務(58・4時間)の順で長く、日建協が共通目標に設定している「平均...

2015年5月18日月曜日

【とにかく凄い人気・一部修正】奈良俣ダムの点検放流に若手記者M君が潜入した!!!

【誤】奈良俣ダムの点検放流(点検放流後に撮影したものでした)   ダムの点検放流に関する話題をたびたび取り上げてきた当ブログ。社内でも社外でもこのネタに興味を持ってくれる人は多いようで、ダム関連の情報を発信しないとなんだか落ち着かなくなっている(自意識過剰??)。そんな状況にあって、編集部内でもダム好きで知られる若手記者のM君が、群馬県みなかみ町にある奈良俣ダムで17日に行われた点検放流に潜入。現地の様子を取材してきてくれた。 水の白さがすがすがしい 都心から奈良俣ダムまでは、高速道路を使って車で3時間ちょいの距離。M君曰く「関越道のICを出てからは山道なので要注意。ダムに行くまでの間にあるバームクーヘン屋さんはお勧めです」とのこと。放流開始が午後2時だったので「1時間半前に現地に到着したが、管理事務所付近の駐車場はいっぱいで、手前の放流口下の駐車場もほぼ満車でした」という。  ダム人気を肌で感じたM君がまず挑戦したのは、現地でしかもらえないダ...

【回転窓】沈没船と安全保障法案

 浅田次郎さんに「シェエラザード」という小説がある。戦争中に多くの人々を乗せたまま撃沈された船を引き揚げ、戦後の平和と繁栄の中で忘れ去られそうな真実に向き合おうとする人々の話だ▼小説のモデルは大型旅客船「阿波丸」。第2次世界大戦中、赤十字の救援物資を運ぶために、連合国側に航海の安全を保証されながら、台湾沖で米国の潜水艦に撃沈された。民間人を含む約2000人が犠牲になり、米国政府は責任を認めたものの、事件の真相は謎に包まれている▼先ごろ、戦艦武蔵とみられる船体がフィリピン沖で見つかった。発見したのは、マイクロソフト社の共同創業者のポール・アレン氏▼無人探査機に搭載したカメラを遠隔操作し、水深約1000メートルの海底に横たわる船の姿をインターネットで中継した。発見の知らせを受け、武蔵の元乗組員と遺族らが現地を訪れ、海底に眠る人々のために洋上慰霊祭を行ったという▼自衛隊の活動拡大を図る安全保障関連法案が閣議決定された。国会審議はこれからだが、現在の平和と繁栄の陰に、犠牲になった多くの人々がいることを忘れてはならない。...

【凛】日本道路中部支店・前田紫帆さん

 ◇工事屋としてスタート、現場は楽しい◇   生まれも育ちも名古屋。名古屋工業大学で土木工学を学び、日本道路へ。「土木はスケールが大きく、公共性の高い仕事。中でも『道路』は24時間・365日誰かが使っている。新しく造る時代からメンテナンスの時代に変わってきてはいるが、道路の仕事は常にある」と道路舗装業に飛び込んだ。  研修を終え、初めて配属されたのは東名高速・足柄サービスエリアの駐車場改良工事。「大きな現場で、日々の仕事をこなすのに精いっぱいだった。でも現場は楽しかった」とものづくりの魅力に引き込まれた。その後も工事担当者として名古屋高速道路の舗装工事をメーンに数多くの現場に従事。上司とスコップ片手にテニスコートの路盤を造ったことも。  13年6月から現場代理人の立場で国土交通省と名古屋高速の仕事を担当。今年1月には1級土木施工管理技士の資格を取得した。「『工事屋』としてのスタートラインに立てた」と喜びをかみしめる一方、「これからさらに仕事の幅を広げていきたい。甘えは許されな...

【中堅世代】それぞれの建設業・94

コミュニティーの維持・再生もまちづくりの課題に・・・ ◇多くの人との関わりを成長の糧に◇     下町の木造密集地でネクタイを締め、スーツ姿で仕事をしていたら、誰からも信用されない-。  公共機関の防災街づくり部門で働く平伸一さん(仮名)は、老朽化した木造住宅が密集するエリアで共同建て替え事業などによる不燃化の促進に取り組んでいる。敷地の集約に向けた用地買収交渉では、常に作業着姿で地権者宅を訪ねる。移動にも車などは使わず、地図を広げながら自転車で一軒ずつ地道に回る。  こうしたちょっとした立ち居振る舞いが相手に親近感を与え、こちらの説明にも耳を傾けてもらえると考える。最近は仲良くなった住民らとざっくばらんな会話もできるようになった。  子どものころから地図を見るのが好きだった。学生時代は列車に乗って知らない街を訪ね、そこで好物のラーメンを食べ歩いた。いろいろな街を見て回るうち、「その街で暮らし、働き、学び、遊ぶ人たちを幸せにする仕事に携わりたい」と思うようになった。  今の仕事...

【駆け出しのころ】竹中土木常務執行役員・牧野豊氏

 ◇現場での忘れらないひと言◇   私と同じ年に入社したのはちょうど100人で、大阪の独身寮に2週間ほど泊まり込んで研修を受けました。研修を終えて名古屋支店に配属され、名古屋市内のシールドトンネル工事の現場に赴任しました。  この工事には着工から竣工まで携わることができ、先輩から現場のことをいろいろ教わりました。新人の役割といえば、まずは測量です。掘削が始まると一人で夜間の施工管理を担当することになったのですが、自分の測量が間違っていたら大変なことになってしまうと考えると、非常に怖かったものです。それに電卓もまだない時代でしたから、現場で必要な計算はすべて筆算で行っていました。これも間違ってはいけないと、大変に緊張しながらやっていました。  最初の現場も含め、若いころに働いた現場の上司や先輩からは公私ともに影響を受けました。今でも感謝しています。お世話になったある先輩からは、「貯金をしろよ」と何度も言われました。逆らう理由もなく、先輩がそこまで言うならと始めたのが、給料から天...

【サークル】YKKAP 東京野球部

 ◇「今シーズン中のトップリーグ入りめざす」◇   YKKAPで野球に愛情を注ぐ有志社員が集まって約20年前に発足した「東京野球部」。現在は選手18人、マネジャー6人でチームを作る。営業や開発、管理など所属部門はさまざま。部門の垣根を越え、ベテランと若手が融合して「伸び伸びとプレーする」のがモットーだ。  春と秋に、事業所のある東京都墨田区内で行われる軟式野球大会に定期的に参加している。約100チームが参加する大きな大会で、実力順に全7リーグがあり、上位リーグでは本格的な試合が行われている。  社内の大阪・名古屋地域にそれぞれある野球チームとの交流戦も不定期ながら行っており、社員同士の交流にも活動が生かされている。  「発足当時に比べると、野球経験者、野球が好きな若手社員が少ない」と嘆くのは、代表の大和田賢次郎さん。メンバーの高齢化問題を解決するため、社内報や口コミを利用して部員を随時募集。チームの若返りを図るとともに戦力の底上げも目指す。「野球で結果を残すことで、会社に元気...

2015年5月17日日曜日

【プロジェクト・アイ】松本市美鈴湖自転車競技場建設(長野県)/施工はNIPPOJV

最大傾斜36度のバンクを専用機で高精度舗装  自転車でトラックレースを行う自転車競技場・競輪場。特殊な曲面で急勾配のバンクを持つこうした施設の舗装で世界トップレベルの技術とノウハウを有するNIPPOが、長野県松本市で自転車競技場の新設工事を手掛けている。1周333メートル、最大傾斜角度36度の走路を専用の舗装機械で施工する。特に自転車の走行に影響を与える表層の施工では、平滑性や密度の確保に細心の注意を払う。最大の山場となる表層の施工を無事に終え、仕上げの塗装工程に入る。  ◇世界トップの技術駆使◇  松本市はかつて、市内に「かりがね自転車競技場」を保有していたが、施設の老朽化と、同市をホームタウンとするサッカークラブ・松本山雅FCの練習拠点を整備するために解体。閉鎖していた浅間温泉国際スケートセンター跡地に新たな自転車競技場の整備を進めている。施工はNIPPO・松本土建JVが担当している。  NIPPOは、自動車のテストコースやサーキットの設計施工を数多く手掛けており、オー...

2015年5月16日土曜日

【しばらく控えようと思っていたのに・・・】水資源機構が広報誌に「ダムカレーMAP」

ダムに行きたくなりつつ、カレーも食べたい  このブログでダムの話題をたびたび取り上げていたら、編集部内のある人から「◯◯さん、ダムネタに頼りすぎてない?」と厳しいご指摘が・・・。しばらくダムの話題は控えようと思っていたのだが、これだけは書かずにいられない、と思えるネタに遭遇したのでアップさせてもらう(Mさん、すまん)。  ダムや水路などの整備、維持管理を担う水資源機構が毎月発行している広報誌「水とともに」。ダムに関わるさまざまな人のインタビューや情報が掲載されているこの冊子の4月号になんと!!!、「ダムカレーMAP」が掲載されている。  水資源機構はダムのことなら何でも知っている、その道でもプロ中のプロ。当然、巷で話題のダムカレーも、どこにどのようなメニュが存在するのか、知っていて当然といえば当然の話だ。  MAP掲載の経緯を広報担当の方に聞いたところ「話題になっているので一度まとめてみたかった」ことが理由とか。MAPで紹介しているのは、施設名に「水資源機構」と入った全国5府県...

2015年5月15日金曜日

【住みたい街NO.1が変わろうとしている】東京都武蔵野市が吉祥寺駅周辺街づくり計画策定

 東京都武蔵野市は、JR中央線と京王井の頭線が乗り入れる吉祥寺駅周辺の再整備のあり方などを示した街づくり計画を策定した。駅周辺を四つのエリアに分け、地域特性に合わせて再整備手法を明示。老朽化した建物の共同建て替えや駅前広場の整備、市道の拡幅などの施策を盛り込んだ。各施策の具体化に取り組み、地域住民や来街者がより安全、快適に過ごせる環境整備を誘導していく。  市が今回策定した街づくり計画は、吉祥寺駅周辺の中長期的な再整備方針「NEXT―吉祥寺」の後期計画(15~18年度)。前期計画(10~14年度)は10年3月に策定済み。市は前期計画に基づき、民間事業者と協力・連携しながら駅周辺施設の再整備に着手。南北自由通路の整備や京王吉祥寺ビルの建て替え、駅出入り口のバリアフリー化対策などが14年度までに完了した。  前期計画の各種施策によって来街者が増加すると予想する市は、新たに後期計画を策定。駅周辺地域を▽セントラルエリア▽ウエストエリア▽イーストエリア▽パークエリア―の4地区=図参照=...