養鰻場で大きくなったウナギをすくう岩崎社長(手前)、永冶社長(手前から3人目)ら |
長大とエクイパルコ、事業企画・投資などを手掛ける現地のツインピーク(高野元秀社長)は、既に小水力発電や上水供給、工業団地開発などの事業で提携関係にある。1日付で調印したMOUでは、3社に基礎地盤コンサルなどが加わり、農業・水産業の振興による産業育成や雇用創出、経済発展などを目指す。
具体的には、エクイパルコなどが設立した稲作・精米事業を展開する特別目的会社(SPC)「アグサン・グリーンフィールド・リソーシス」と、ウナギとエビの養殖事業を手掛けるSPC「カバドバラン・アクアテック・リソーシス」に長大が出資する。出資の金額や時期などは今後詰める。
長大はSPCへの出資だけでなく、日系企業の事業参画支援、調査や計画立案などのコンサルティングを展開。既に始動している電力、上水といった基礎インフラ整備と連動させ、ブトゥアン市で「民間主導型官民連携(PPP)による地域開発」を具体化させる。
今回の包括提携ついて長大の永冶泰司社長は「ブトゥアン市は環境や条件が非常に良く、パートナーにも恵まれている。貧困は紛争の火種になることも多い。この地でコンパクトな地域振興のモデルを作り、地域と共に長大グループも成長を目指す」としている。
ミンダナオ島はフィリピンで2番目に大きい島で、フィリピン諸島の南端に位置する。農・林・漁業が主要産業だが、インフラ整備の遅れや政情不安、紛争によって経済発展はフィリピンの中でも遅れている。ただ、北東部に位置するブトゥアン市は政情が安定しており、豊富な農業・水産資源を背景に成長のポテンシャルは高いとされる。
長大は、現地企業と幅広い領域で共同事業を展開することで、地域開発・振興に関するノウハウを蓄積。同島の他地域や東南アジア各国での事業参画につなげる考えだ。
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