トンネルに光が差し込んだ瞬間 |
東北地方整備局が建設を進めている相馬福島道路(霊山道路)の国道115号馬舘山トンネル(仮称)の現場(福島県伊達市)で19日、地元の小学生や住民を対象とした見学会が開かれた。トンネルの貫通の瞬間を地域住民にも体感してもらおうと同局が企画したもので、伊達市立小国小学校と月舘小学校の5~6年生など約100人が参加した。ブレーカーでトンネルの最後の部分を掘り進めて、貫通した先から光が差すと、参加者から「おお!」「すごい!」といった歓声が上がった=写真。拍手と共に万歳三唱を行って、無事の貫通を祝った。
同トンネルの施工は安藤ハザマが担当。菅原一智現場代理人は「実際にトンネルが貫通する瞬間を見てもらう機会はなかなかない。喜んでもらえて良かった。現場一丸となって早期に完成させたい」と施工への思いを語った。
◇「とても感激した。道路ができるのがうれしい」と地元の方◇
参加者はトンネルの概要や施工方法、使用重機などの説明を聞いた上で、トンネルの貫通状況を見学した。月舘小6年の長沼祐真さんは「すごい迫力で、貫通して光が見えた時にすごく感動した」と笑顔で話した。地元住民の渡辺良子さんは「とても感激した。道路ができるのがうれしい。開通したら使おうと思いながら見ていた」とトンネル開通が待ち遠しい様子だった。
見学会では、防水シートの破れ防止のために設置するロックボルトキャップに復興への願いや将来の夢を描いてもらい、実際に据え付ける体験イベントや、濁水処理の実演なども行った。
工事場所は同市霊山町石田~月舘御代田。トンネル延長は367メートルで、幅員は12・0メートル。NATMにより掘削を進めていた。同工事には、境ノ目トンネル(延長175メートル)の覆工コンクリート施工も含まれている。工期は7月15日まで。
相馬福島道路(霊山道路)は常磐自動車道と東北自動車道を結ぶ約45キロの高規格道路。東日本大震災の復興に向けたリーディングプロジェクトとして、17年度の開通を目指して整備が進められている。完成すると福島飯坂インターチェンジから相馬市役所間が現在の76分から41分に短縮されるなど、速達性の向上とともに、緊急輸送道路の信頼性確保や企業活動の活性化といった効果が期待されている。
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