2015年5月11日月曜日

【回転窓】「貧乏暇なし国」


 黄金週間(GW)が終わり、きょうから出社という方もおられよう。今年のGWは天候に恵まれ、行楽地に繰り出した人が例年よりも多かったという▼GW中の混雑を避け、自宅で寝正月ならぬ『寝GW』を決め込んだ方もいるだろう。心地よい気候の中で、昼間からビール片手に読書三昧(ざんまい)、テレビ三昧も悪くない。休日はそれぞれがリラックスして過ごせればそれでよい▼コラムニストの天野祐吉さんが、雑誌「広告批評」の「生活大国ってナニですか」という特集の中で、バブル経済前の日本を「金持ち暇なし国」と呼び、これからは「貧乏暇あり国」を目指そうと書いていた。確かに、自由な時間と心にゆとりがなければ「生活大国」とは言えない▼天野さんは昔の中国の皇帝が芸術家の品位の格付けを1等、2等ではなく、「1品」「2品」としていたことを引き合いに、日本は「別品」を目指すべきだとも。順位付けは難しいが、個性的で優れているもののことである「別品」になればよいというのだ▼なるほど、別品になるのは理想だろう。だが、個人的には「貧乏暇なし国」が性に合っている気もする。

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