土木学会東北支部は、14年度の総合技術賞などの受賞者を決定した。総合技術賞にはJR東日本東北工事事務所の「仙石線陸前大塚・陸前小野間かさ上げ復旧工事」と、東北電力の「新仙台火力発電所第3号系列新設工事」の2件が選ばれた。技術開発賞には3件が、研究奨励賞は8件がそれぞれ選定された。29日に開かれる支部総会に合わせて、表彰式が行われる。
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JR仙石線陸前大塚~陸前小野間かさ上げ復旧工事 |
仙石線陸前大塚・陸前小野間かさ上げ復旧工事は、東日本大震災で被災したJR仙石線の移設区間から、鳴瀬川橋梁につながる既設高架橋の縦断勾配変更などと、新高架橋の構築を行った。既設高架橋のかさ上げを実現するために、柱の曲げ耐力不足を補強する構造を開発するとともに、施工に伴う主桁の切断や、部材の一体化など多くの課題を解決したという。既存高架橋を再利用することで、工期の短縮や撤去費・新規投入材料の削減といった経済効果も得られた。柱の曲げ補強方法は汎用性があり、広く適用できるという。
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新仙台火力第3合系列新設工事 |
新仙台火力発電所第3号系列新設工事では、老朽化した火力発電所を高効率設備に置き換え、環境負荷と発電コストの低減を図った。施工に当たっては、LNG防液堤のPC鋼棒の配置最適化により、世界で初めて鉛直PCテンドンの全量省略を実現したという。周面支持力を増大させる杭打設工法の開発により、根入長を低減させるなど幅広い合理化策を講じた。既存設備の有効活用や、撤去コンクリートの全量構内使用などにより、廃棄物の抑制も図った。
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