大きな開発ポテンシャルを秘めた品川車両基地跡 |
JR東日本は、品川車両基地跡地(東京都港区)の開発プロジェクトの具体化に向け、今後の施設整備のあり方などを示すグランドデザインを策定する。国や都など関係機関と協議・調整し、街並みや建物の配置計画などに関する基本的な考え方を整理する。策定時期は未定だが、土地区画整理事業の都市計画決定手続きに合わせて詳細を詰める。15年度中の都市計画決定を経て、23~24年ごろの街開きを目指している。
品川車両基地跡地は品川駅の北側に位置し、田町駅側に南北1・6キロメートルにわたって細長く延びた約13ヘクタールの敷地。跡地の中心部には山手線・京浜東北線の新駅を設置する。一帯の再開発の核となる新駅については、20年東京五輪までに暫定開業させる計画だ。
道路や広場など基盤整備の計画については、都など関係機関と協議を進めている。開発手法は土地区画整理事業を採用。事業区域は車両基地跡地とその周辺を含めたエリアを想定している。施行方式(個人・組合)は未定。現時点の道路や街区の整備方針などを勘案すると、開発エリア内に整備する建物は8棟前後になる見通しだ。
車両基地跡周辺のまちづくりイメージ |
街づくりのコンセプトとして、▽人と人をつなぐビジネス交流拠点▽駅と街をつなぐ地域交流拠点▽過去と未来をつなぐ文化交流拠点-の三つを設定。国内外から企業を誘致し、観光客を呼び込むため、業務・商業・居住などの都市機能が高度に集積した国際的な交流拠点を形成する。
新駅前には駅と周辺の街・地域をつなぐ広場・空間(2階レベル)を創出。広場下の1階には周辺オフィスの車寄せやバス・タクシーの乗降所を配置する。このほか、新駅と品川駅の間には、自然豊かな遊歩道を設け、地域や鉄道の歴史・文化を感じられ、回遊性にあふれる歩行者空間を創出する考えだ。
旧品川車両基地は首都圏最大の設備規模(87線、約1000両)の総合車両基地。近年は客車・機関車基地だった部分の大半が使用されていなかったことから、JR東日本は電車主体の運用に合った基地への再編整備を進めている。東側に整理・集約した新車両基地の使用を13年11月に開始し、現在は西側の車両基地跡地で既存施設の撤去工事などを進めている。
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