2015年5月15日金曜日

【回転窓】火山地域の不安解消を

 ロープウエーの売り上げが前年比60%減と壊滅的な状況-。昨年10月ごろから火山活動が活発化している山形・宮城県境にある蔵王山。一大観光地とあって、地域経済に与える影響は極めて深刻なようだ▼宮城県蔵王町、山形市の蔵王温泉では宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、廃業に追い込まれた施設もあるとか。蔵王山が最後に噴火したのは1940(昭和15)年。75年前の状況を記憶している人はもう多くはない。周辺の風評被害も重なって地元は不安を払しょくできない状況が続く▼自民、公明両党が13日、こうした地域の危機的状況を何とかしようと、政府に緊急要望を行った。太田昭宏国土交通相には監視カメラの設置や電気・通信インフラの整備を含む監視体制の強化を求めた▼昨年9月の御嶽山、先日のゴールデンウイークの箱根・大涌谷と、このところ火山活動の活発化に関するニュースが相次いでいる。どこも観光や農業など地域を支える産業に大きなダメージを与えている▼状況を正確に把握し情報をきちんと伝えることが、地域の不安解消に向けた最重要課題。政府の積極的な対応を求めたい。


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