◇夢追いながら後輩のモデルに◇
4年前の就職活動中に起きた東日本大震災。直後、東京の鉄道網はすべてストップ。復旧に取り組む鉄道各社の中でも、東京メトロの安全確認から運転再開までの対応の速さに感動した。
大学では土木工学科を専攻した。電気設備関係の企業に勤める父親は、停電になると夜中でも復旧現場に出向いた。そんな姿を見ているうちに、人の暮らしに欠かせないインフラ整備に関わりたいと思うようになったという。
入社後は改良建設部門に配属され、東西線大手町駅周辺の改良工事を担当。再開発事業に合わせ、階段やエレベーターなどを整備した。日本有数のビジネス街で乗降客も多い。工事ヤードを十分に確保できず、作業も終電後、始発までの数時間に限られた。厳しい条件下でゼネコンや関係部署の人たちと協力しながら工事を安全、確実に進めた。「苦労が多かった分、新しいエスカレーターをお客さまが使っている姿を見た時は感激した」と振り返る。
現在は駅舎のバリアフリー化を担当。仕事のやりがいに規模の大小は関係ないが、人の流れが一変する大規模工事には携わってみたい。延伸計画が具体化すれば「新線建設も」と夢は膨らむ。
仕事とプライベートの切り替えも重要。東京近傍のテーマパークをよく訪れ夢の国でリフレッシュする。先輩技術者に少しでも早く追い付こうと勉強の毎日。女性の土木職はまだ少なく、「後輩たちの模範になれるような道筋を示したい」。(うの・たかえ)
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