後世に問題を残してはいけない。2020年東京五輪までには解決しなければ-。建設投資が上向き、工事が活況を呈する中でもこうした危機意識が業界内に漂う▼産業を持続させていくには、若い人材を確保し、定着してもらうことが何より重要だが、少子化と人口減少が進む中、他産業との間での人材の奪い合いは不可避だ▼この2年の間に、設計労務単価は3度引き上げられ、「担い手3法」の本格施行を中心に各種施策も矢継ぎ早に打ち出された。疲弊した建設業界に追い風が吹く状況にあっても、将来を見据えると不安はぬぐい切れない。日本建設業連合会(日建連)の長期ビジョンも、これから起こる業界全体の課題を見据えた方向性を示している▼先日、総会を開いた専門工事団体のトップは、社会保険加入促進などここ数年の取り組みをめぐり、「今解決しておかなければ、若者はもうこの産業に入ってこないだろう」と述べ、活動に積極的に参加するよう傘下会員にげきを飛ばした▼総会シーズンが続いている。足元を固めながら、将来に向けて何に取り組むかを確認することが何より重要だろう。
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