2015年5月22日金曜日

【首都高大規模更新】築地川区間で沿道開発と一体実施検討へ


大規模更新が計画されている築地川区間(新金橋付近)
◇沿道開発と一体整備へ◇

 首都高速道路会社は、首都高速道路の大規模更新事業の一環で、都心環状線の築地川区間(東京都中央区銀座~新富町、延長1・2キロ)の施工計画の検討に本格着手する。道路施設の更新と沿道開発との一体的な事業を視野に、線形や構造・施工法などの検討を進める。コンサルタント業務は千代田コンサルタントが担当。現時点の更新計画では2020年東京五輪後の着工を予定している。都心環状線の築地川区間(幅員3・25メートル×4車線)は半地下の掘割構造。供用開始から50年以上が経過し、擁壁部のコンクリート剥離や鉄筋の露出・腐食などの損傷が多数発生している。
 首都高速会社がまとめた更新計画によると、工事期間中は内回り・外回りそれぞれ1車線以上を使用しながら、現行基準に適合した擁壁への取り換えなどの更新工事を段階的に進める。築地川を干拓して川底に道路を構築した同区間では、急カーブが連続して交通事故が多発しているため、線形も見直す。事業期間は15~28年度。事業費は559億円を見込む。
 国は、首都高の更新と周辺街づくりを連携させた都市再生の推進を成長戦略の施策に掲げ、改正道路法(14年6月施行)で新築や改築に限っていた立体道路制度を既存の高速道路にも適用できるようにした。国土交通省は首都高速会社や都、中央区などで組織するワーキンググループを設置。立体道路制度を活用した築地川区間の更新事業の構想具体化に向けた検討も進めている。
 構想では掘割構造の同区間を人工地盤で覆い、上部で新たに発生する容積を周辺の都市開発計画に移転し上積みする。
 首都高速会社の現時点の計画では、立体道路制度の活用は想定していない。今後、沿道の状況把握や開発関連の情報収集などを進める。地元など関係者との都市計画の調整のほか、必要な用地取得、支障物の移設などに時間を要するため、更新工事の開始は20年東京五輪後を予定している。

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