「隊の目的は災害の未然防止」と話す吉田隊長 |
◇MRT第3期隊長に就任◇
前田建設の職員でつくるトンネル建設現場の救護活動隊「マエダ・レスキュー・チーム(MRT)」。結成8年目を迎える今年、第3期隊長に就任した。「これまでは自分たちの技術を磨くことに専念してきた。培ってきた技術やノウハウを社内にどう伝えていくかが今後の課題」と話す。
MRTは、過去に同社のトンネル工事現場で発生した災害を教訓に、07年に当時社長だった前田靖治相談役の発案で設立された。社長直轄組織で、万一の事故発生時に出動要請が出され、作業中の坑内火災などで逃げ遅れた人の捜索や救護を行う。
メンバーは25人で、トンネルやシールド工事の現場に勤務する職員が大半。年2回の集合訓練で救護技術を向上させるとともに、チームワークを醸成している。国内で唯一営業採炭を続ける北海道の釧路コールマインの模擬坑内で実施する訓練は、酸素呼吸器を装着し、150度以上という高温濃煙下、視界ゼロという状況で行われる。
◇出動することのない隊に◇
今期から加わった6人の新隊員を気に掛け、「仲間を信じ、命を預けられるようになるためにも、まずは自己研さんに努めてほしい。規律を守り、志も高くもってもらいたい」と期待を込める。座右の銘は「一期一会」。「入社以来多くの人に助けてもらい、今の自分がある」。
トンネル工事では、切羽後方で火災が発生すれば、前方の作業員の退路が断たれることになる。坑内だけでなく、高層建築現場での消火・避難訓練の指導にもMRTの救護技術が生かされると考えている。「われわれの目的は火災や爆発事故といった災害を未然に防止すること。出動することのない隊を目指したい」。(営業第2部民間営業チーム長、よしだじゅんや)
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