14年度に建設業で支払われた月額平均給与額が、前年度に比べ0・9%増えたことが、厚生労働省が公表した毎月勤労統計調査で分かった。13年度(前年度比1・7%増)から2年連続の増加。全産業平均の伸び率(0・7%増)も上回った。賞与の増加が主因。ただ、前年度と比べると平均給与額が減少している月も目立つ。
厚労省の調査結果から、14年4月~15年2月の確報値と15年3月の速報値を日刊建設工業新聞が集計、分析した。月額平均給与額には基本給や諸手当のほか、賞与も含まれている。
14年度の建設業の月額平均給与は37万4708円。全産業平均(31万5922円)を2年連続で上回った。うち賞与に相当する「特別に支払われた給与」は建設業の場合、前年度比7・0%増の66万1097円となった。一方、基本給に当たる「所定内給与」は0・7%減の29万6457円だった。基本給の比較的低い若年層や未経験者の入職が増えていることも背景にあるとみられる。
調査対象は従業員5人以上の事業所で、大手ゼネコンから数人の技能労働者が働く小規模事業所まで含まれる。大手ゼネコンなどの元請業者は建設需要の増加で企業業績が回復し、定期昇給やベースアップを実施。賞与を引き上げる企業も目立った。技能者の処遇改善に向けて国は、公共工事設計労務単価を13年以降、3回にわたって引き上げてきた。
ただ、13年度と比べると、14年度の伸び率は小幅になっている。月別に見ると、5、8、9、10、3月の月額平均給与額は前年同月比でマイナスとなった。一方、大手など一定規模以上の企業が夏季賞与を支給する7月は7・0%増の大幅な上昇となった。
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