テレビのプロ野球中継など普段は見たことがないにもかかわらず、この時期、新聞のスポーツ面などに自然と目が行く。引退、戦力外通告、退団してなおも現役続行…。選手の進退を伝えるそんなニュースが載るからだ▼サラリーマンと違い、プロスポーツは真に実力だけが物を言う世界。生き馬の目を抜く激しい競争の中、隙があれば直ちに蹴落とされる。しかも、メディアに取り上げられてなんぼの人気稼業である▼限界か、まだ頑張れるか、自ら引き際を判断する難しさは察するに余りある。去就をめぐるニュースに素人も興味を引かれるのは、短い記事の中にも一人の人間の葛藤かっとうが垣間見えるからかもしれない▼今季最大の話題はやはり、プロ野球最年長勝利など数々の最年長記録を打ち立てた中日の山本昌投手の引退表明だろうか。野球選手としては異例の50歳。この人の活躍に励まされた同世代のファンも多かろう▼チームの世代交代の波を見ての決断と伝えられる。記者会見では「大きな決断をしたなと思っている。ある程度、すっきりしている」と語ったそうだ。あす7日がラスト登板になるという。
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