静岡県熱海市の逢初川水系で3日に発生した大規模な土石流災害の緊急砂防工事で、国土交通省は二次災害の発生防止を徹底する。
上流に位置する土石流の発生起点(源頭部)が不安定なため、衛星利用測位システム(GPS)観測装置やワイヤセンサーなどを設置。地盤の動きを24時間体制で監視し、下流で行う国直轄の緊急的な砂防工事の安全を確保する。被災地域の早期復旧に向け万全を期す。=2面に関連記事
国交省中部地方整備局は、緊急砂防工事を現場で指揮する「熱海緊急砂防対策チーム」(リーダー・角田隆司河川部河川工事課長)を21日に設置した。本格的な復旧工事の開始と今後の避難解除を見据え、監視体制のさらなる強化に向け観測装置などの設置作業に入った。
地盤が崩れる前に土砂の動きを感知するため、源頭部で新しい土砂崩れが起きる危険性がある場所にGPS観測装置を配置。斜面の崩落をいち早く検知するため、逢初川の流れに沿ってワイヤセンサーを張り巡らす。GPSは4カ所、ワイヤセンサーを1カ所に設ける計画。土砂の動きなどの状況によっては設置数を増やす予定だ。センサーなどの配置計画や設置作業は、災害時協定を結ぶ建設コンサルタンツ協会(建コン協、野崎秀則会長)を通じて日本工営が担当している。
中部整備局は、今後の降雨量によって(源頭部で)土砂崩れが起こる可能性もあると見ている。監視体制を強化し土砂の動きを素早く察知できるようにすることで、二次災害の未然防止や復旧工事の安全確保につなげる。
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