「大任果たした建設業、きょう東京五輪開幕」。1964年10月10日付の本紙は旧国立競技場の写真とともに前回の東京五輪の開催をこう伝えている▼国内初、アジア初の東京五輪は1959年の第55回国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定。名乗りを上げていたデトロイトとウィーン、ブリュッセルを破った▼以来、開催までの5年間、東京だけでなく日本中につち音が響いた。競技場や選手村など五輪施設はもちろん、宿泊施設や首都高速1号線などの高速道路、日比谷線などの地下鉄、羽田モノレール、そして新幹線。建設業界は施設の建設を急ピッチで行った▼あれから50年以上が経過し東京の街は様変わりした。国立競技場は木材と鉄骨を組み合わせた温かみのある施設に生まれ変わり、今回多くの競技場が整備された臨海部は前回の東京五輪後に本格的な開発が進んだ▼23日、コロナ禍で2回目の東京五輪が開幕する。今回も短工期の中で建設業界は関連施設の整備を懸命に行った。前回同様に「大任を果たした」と言えるだろう。建設業界が総力を挙げて造った競技場で選手らの躍動する姿を早く見たい。
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