建築家の黒川紀章氏(1934~2007年)が設計した「中銀カプセルタワービル」(東京都中央区、1972年竣工)の再活用プロジェクトが始動する。保存を訴えてきた「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」(前田達之代表)が再活用プランを提案。着脱可能なカプセルの寄贈や宿泊施設への利用を呼び掛けている。
再活用プランは、黒川紀章建築都市設計事務所(東京都千代田区、永田恭一代表取締役)の協力を得て実現を目指す。黒川氏の意思継承を目的に国内外の美術館に寄贈。さらにカプセルの魅力を発信する目的で「泊まれるカプセル」の全国展開も視野に入れる。22年2月には建物の記録を書籍として出版するため、インターネットで資金調達するクラウドファンディングも始める。
同ビルは、生物が新陳代謝する様子を落とし込んだ「メタボリズム理論」に基づき設計された。建て替えとカプセルの交換を議論していたが、3月に管理組合が敷地売却を決定。区分所有のカプセルを売却する動きも出ている。
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