内閣府は東京・永田町にある国会議事堂の前庭に整備する新たな国立公文書館と憲政記念館の実施設計をまとめた。建物は地下4階地上3階建て延べ4万2421平方メートルの規模。工事費は488・9億円(税込み、以下同)を見込む。左官仕上げの壁、ヒノキやナラなどの木材を採用。日本の歴史や伝統を象徴する施設になる。基本・実施設計は日建設計が担当した。
2021年度以降に憲政記念館の解体と埋蔵物文化財調査を実施し、本体工事に入る。28年度末の開館を目指す。詳細なスケジュールは決まっていない。国土交通省は解体工事(工事発注規模3億~6・9億円)の施工者を決める入札を21年度第4四半期(22年1~3月)に予定している。
19日にウェブ開催した有識者会議で実施設計の概要を示した。計画地は千代田区永田町1の1の1。約5・5ヘクタールの憲政記念館の敷地に、新たな公文書館と憲政記念館の合築施設を整備する。専用スペースとして公文書館に延べ2万1872平方メートル、憲政記念館は延べ4920平方メートルを確保。廊下など両館の共用スペースに延べ9308平方メートルを充てる。地下に駐車場(6321平方メートル)を設ける。
外観は両館の独自性を強調したデザインになる。公文書館は隣接する国会議事堂との調和を重視。議事堂と同じ色調の桜御影石を使用する。憲政記念館は近代を象徴する建築材として、金属(アルミニウム合金の鋳物)やガラスなどを基調とする。
公文書館の大階段や展示ホールは伝統的な左官仕上げの壁とし、床や壁にはナラなどの木材を使用する。憲政記念館は歴史的価値を尊重し、既存施設にある尾崎行雄像やロビー前の大理石、格子天井などを再配置・再利用する。ユニバーサルデザインや感染症対策の換気確保にも配慮する。
現在の国立公文書館は東京・北の丸公園に本館、分館が茨城県つくば市にある。本館は1971年の開館で老朽化に伴い、建て替えることになった。
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