2021年7月7日水曜日

【回転窓】アクセントと七夕

  英語でも日本語でもアクセントによって意味が変わることがある。例えば英語の「レコード(record)」は頭の方を強く発音すれば名詞の「記録」、後ろを強く発音すれば動詞の「記録する」になる▼日本語も「橋」と「箸」のように発音の強弱で意味が異なる。以前、建設業で働く外国人研修生に日本語の難しさを尋ねた時、まず挙げたのが漢字と平仮名の表記だったが、次にアクセントの難しさと言っていた▼日本語の場合、アクセントは地域によっても異なる。「機(はた)を織る」のオルは通常「オ」を強く発音し、「ル」が小さくなるが、群馬県や長野県などは逆に発音する▼「機を織る」作業が日常生活の中で長く続いていた地域では「織る」と「折る」の言葉の意味を分けるため、わざわざアクセントを変えたそう(金田一春彦著『ことばの歳時記』)。生活に溶け込んだアクセントの方がしっくりくる気がする▼今日は七夕。まさに機を織る女性の織女星にけん牛星が年に一度、天の川を超えて会いに行く特別な日。ただこの天気では天の川が増水しそれもかなうまい。ここ数年、大雨を憎むことが増えた。

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