急ピッチで消波ブロックの設置工事が進む東側護岸 |
関西国際空港を運営する関西エアポートは27日、2018年9月の台風21号で大規模な浸水被害を受けた関空1期空港島の災害対策工事の現場を報道関係者に公開した。これまでに護岸のかさ上げが完了し、現在は消波ブロックの設置を急ピッチで進めており、10月末に作業を終える。A滑走路と誘導路のかさ上げ工事に今秋着手し、22年夏ごろにすべての対策が終了する。
関空の防災機能強化対策費は約540億円。19年度から護岸のかさ上げや防潮壁整備などによる越波防止対策のほか、第1ターミナルビル(T1)の電気設備の地上化など浸水被害防止対策、排水ポンプ制御盤や受配電盤のシェルター化など排水機能確保対策に取り組み、越波防止対策とT1周辺地区の防潮堤の設置など一部を除いてほぼ完了している。
護岸のかさ上げは南側が約1キロ、東側が約4キロ、北側が約1キロに上り、既に完了。最大で2・7メートルかさ上げした。南側の護岸背後の防潮壁の整備も終え、現在は南側と東側の護岸で消波ブロックの設置作業を続けている。
工事で1・7mかさ上げした東側護岸 |
消波ブロック設置工事は二つの工区に分け、施工は南側と東護岸の一部(1工区)を東洋建設・りんかい日産建設JV、残りの東側護岸(2工区)を東亜建設工業・みらい建設工業・本間組JVが担当。2工区合わせて約3万9300個の消波ブロック(12トン×約2万5000個、20トン×約1万4300個)を設置する。当初は23年3月の完成を予定したが、1年半程度前倒しできる見通しで、工事の進捗(しんちょく)率は約8割に達している。
浸水被害防止対策ではT1の地下にあった電気設備を地上化し、防災設備や重要設備の送電切り替えを完了。建物設備室への水密扉の設置や制御盤のかさ上げなども終えた。現在はT1周辺地区で防潮堤を整備しており、今夏中に作業を終える。排水機能確保対策では電源ルートのループ化も実施した。
東側護岸のかさ上げに伴うA滑走路・誘導路のかさ上げは今秋着手する予定で、舗装を最大で40センチ程度厚くする。22年夏ごろに完成する。
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