江戸橋出入り口付近の橋桁下部に設置した工事用足場 |
日本橋川に青空を戻すプロジェクトが動きだす--。首都高速道路会社が計画する都心環状線の「日本橋区間地下化事業(神田橋JCT~江戸橋JCT)」の工事が本格化。3年後のトンネル工事に向け地下埋設物の移設や出入り口の撤去が進む。周辺の街づくりと連携しながら2035年の高速道路の地下化、40年の高架撤去を目指す。
事業区間は千代田区内神田二丁目~中央区日本橋小網町の延長約1・8キロ。トンネル約1・1キロ、高架約0・4キロ、擁壁約0・3キロの道路構造に更新する。
撤去する高架区間や閉鎖した江戸橋入り口などを6月30日に報道機関に初めて公開した。5月10日に呉服橋、江戸橋両出入り口を廃止。既存橋脚の本数を減らして水位を下げ、河川内の工事を安全に進める。呉服橋側は3本、江戸橋側で4本を撤去する見通し。3年間で完了し地下トンネルなど本体工事に着手する。
公開した江戸橋入り口では、橋脚撤去工事に使用する足場を設置するなど準備工が進む。同社の担当者は「街づくりと一体的に更新していくのが事業の大きな特徴」と説明。都心部の高架道路を地下化する前例のない難工事を、近隣の再開発事業と連動しながら進める。地下に整備するルートは、東京メトロの銀座線や半蔵門線と近接する。「針の穴を通すような、まさにここしかないというルート選定で進めている」と計画の検討状況を明かした。
閉鎖した江戸橋側入り口の合流点 |
日本橋川の事業区間を船で回遊し、将来的に撤去される高架橋なども見学。日本橋や常磐橋など多くの史跡が立地する環境で「真下でトンネル工事をしてもなるべく影響を与えない施工方法を検討している」。川に面して立地する「常磐橋換気所」は地下化によりトンネル延長が伸びるため、換気能力を上げる必要がある。地下化の事業期間に建て替える方向で検討している。
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