2021年7月9日金曜日

【回転窓】リサイクルの未来

  宮本勝浩関西大学名誉教授とゲオホールディングス(HD)が、埋蔵携帯電話の価値(6月時点)で試算結果を発表した。総価値額は約3兆円で、使用されているレアメタルだけでも約671億円に上るそうだ▼宮本名誉教授は「使用されなくなった携帯電話はもっと市場に供出されるべきだ」と指摘。中古流通市場の拡大が必要と訴えている。家庭の中で置き去りにされたり廃棄されたりすれば邪魔者扱いだが、有効活用すれば金脈になる▼建設業界は再利用の面で常に改善を続けてきた。国土交通省のまとめによると、1990年代は約60%程度だった建設廃棄物のリサイクル率は、2018年度に約97%まで上昇。質の向上へと軸足を移している▼リサイクルは対象や在り方が時代とともに進化してきた。地道な努力はもちろん大切だが、これから求められるのは世界を変えるような技術の革新であろう▼カーボンニュートラルが求められている中でまだまだ見つけ切れていない余地があるはず。目の前に見逃している鉱脈があるのではないか--。そうした探究心から新たなビジネスチャンスを生み出す動きに注目したい。

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