2021年7月20日火曜日

【映画「男はつらいよ」にも登場】東京・葛飾区、老舗料亭・川甚を再整備

 コロナ禍による経営難で1月末に200年を超える歴史の幕を閉じた東京都葛飾区の料亭「川甚」が街の文化を発信する拠点に生まれ変わる。

 区が土地と建物を取得。川甚ゆかりの品を展示し、昭和の雰囲気が色濃く残る柴又の街並みを伝える資料館として活用する。本年度は学識経験者や地域住民らと協議し施設の方向性を固める。2022年度以降に設計などに入る。

 1790(寛政2)年に創業した川甚は、夏目漱石や谷崎潤一郎らの小説に登場。映画「男はつらいよ」でも主人公・寅さんの妹さくらの結婚式の舞台になった。

 所在地は柴又7の10。江戸川の河川敷に近い3400平方メートルの敷地には、RC造4階建て延べ1737平方メートルの本館(1964年完成)とS造3階建て延べ949平方メートルの新館(07年完成)がある。本館は解体し、新館を資料館に改修する。

 資料館には川甚を訪れた作家の三島由紀夫や松本清張、漫画家・手塚治虫らのサインを展示したり、江戸川から舟で座敷に上がれた明治期の写真を飾ったりする案が上がっている。区は地域に根付いた老舗料亭を利活用することで「江戸・東京と北関東や房総を結ぶ拠点として栄えた柴又の歴史を後世に残したい」(産業観光部観光課)考えだ。

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