歴史や芸術、学術などの面で普遍的な価値がある建築物や遺跡、景観などを守るため国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定・登録する「世界遺産」。世界遺産条約は1972年に採択され、日本も92年に条約を締結した▼文化庁のホームページを見ると、日本で最初に登録されたのは「法隆寺地域の仏教建造物」で93年。同じ年に「姫路城」と「屋久島」も登録され、25日時点で2019年の「百舌鳥・古市古墳群 古代日本の墳墓群」まで23件が世界遺産のリストに記載されている▼文化や歴史を後世に残すため世界遺産への登録後は開発行為に規制が掛かる。ユネスコは先週、04年に登録した英中部の港湾都市リバプールを世界遺産から抹消すると発表した。18~19世紀の面影を残す街並みが都市開発で破壊されたというのが理由だ▼伝説的なバンド「ビートルズ」が誕生し、The Redsの愛称で知られるサッカーの強豪クラブが本拠地を置くリバプール。今回の出来事は歴史を守りながら都市を再開発していく難しさを改めて突きつけられた気がする▼日本にとっても遠い国の出来事と片付ける問題ではないだろう。
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