2021年7月27日火曜日

【記者手帖】老朽化対策は待ったなし

  先日、郵便受けにたまったチラシを整理していると、水道料金を引き上げるという市役所からのお知らせが目に入った。人口減少で水道料金の減少が見込まれる中、増え続ける水道施設の老朽化対策費用を賄うためと理由が書かれていた。平均で12%の値上げになるそうだ◆全国で水道料金の改定に踏み切る自治体が急増している。2043年度までに値上げが必要な事業体は、全体の9割に達するという民間研究グループの試算もある。蛇口をひねれば当たり前のように水が出る光景。高度経済成長期に整備したライフラインの老朽化対策は喫緊の課題と分かっている。ただそれを日常生活で意識することは、これまでほとんどなかった◆コロナ禍で水道料金を減免した自治体は多い。この時期の値上げを不満に思う人も多いだろう。水道事業者の徹底した経営努力は当然必要だ。同時に水の安定供給に必要な施設の更新に対する市民の理解も求められている。現在のつけを将来に回すべきではない。そんなことを思いつつ何かと節約の必要を感じる単身赴任生活。まずは風呂の余り湯を洗濯に使ってみようと思う。(大)

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