2021年7月2日金曜日

【回転窓】梅雨空への備え

  梅雨前線が日本列島に張り付く時期。週末には雨となる地域が多そうだ。インフラ関係者には気の抜けない日々が続く▼水害の取材をするまで、溢水(いっすい)と越水の違いを知らなかった。堤防がない場所から河川の水があふれ出る現象は溢水。これに対し、堤防を越えてあふれ出るのが越水だ▼どちらも危険な状態には変わりない。ただ、溢水という言葉は、なじみの無い人にとっては状況をイメージしづらい。そうした懸念を踏まえ、国土交通省らは伝え方の工夫を強化。防災用語ウェブサイトも新たに開設した▼離れている親族らが住む地域の災害リスクを通知してもらうサービス「逃げなきゃコール」も普及が進む。人は自分だけは大丈夫と思いがち。遠くにいる孫などから年配者らに「危ないから逃げて!」と電話連絡がいけば、迅速な避難の大きな力になるだろう▼熊本県球磨川流域などで甚大な被害が発生した2020年7月豪雨から4日で1年を迎える。コロナ禍での災害という難しい状況下で、関係者の努力で復興への歩みが進む。今後のためにも、事前の備えと命を守る行動の重要性を改めて心にとどめたい。

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