2021年7月12日月曜日

【凜】大豊建設東京建築支店建築設計部・菅野伸子さん

  ◇猛勉強で秘書から設計職に◇

 事務から設計に職種変更した異色の経歴の持ち主。大学で建築を学び、卒業後は設計職への就職を希望していたが、就職難という状況もあって採用がかなわなかった。

 入社1年目は事務職として秘書課に配属。マナーや言葉遣い、役員対応などを学ぶ傍ら、仕事が終わった後は建築士の資格取得に向けて猛勉強した。入社3年目で2級建築士試験に合格し、念願の設計部に設計職として異動。その後実務経験を積み、1級建築士の試験に合格した。

 現在は物流倉庫や共同住宅・工場の設計を担当する。設計の魅力は「建物が形になっていく面白さ」と目を輝かせる。クライアントの要望にしっかりと耳を傾け、要望を具現化する上でコスト管理も徹底するのが信条だ。

 2019年にハイグレードマンションの設計で、デザイナーとして日本デザイン振興会主催のグッドデザイン賞を受賞した。形状が複雑で品質にもこだわった物件だった。苦労が多かったこともあり「認めてもらえたことがうれしかった」。受賞の喜びがいまも仕事の原動力になっている。

 休日は子どもの習い事の送り迎えに忙しい。娘が保育園の時に書いた将来の夢は「ものをつくる仕事」。仕事の話を詳しくしたことはなかったが胸にこみ上げてくるものがあった。「子どもなりに母親の仕事に興味を持ってくれているのかも…」とうれしそうな笑顔を見せる。

 (第3設計課課長、かんの・のぶこ)

0 コメント :

コメントを投稿