仕事柄、セミナーなどに参加する機会は多いが、いつまでも記憶に残る話は少ない。2008年7月に宮城県栗原市で開催された日本地震学会の岩手・宮城内陸地震に関する住民向けセミナーは今も印象に残っている▼「数日前からニワトリが異常に鳴いていた」「変形雲を見た」「川魚が群れていた」など、被災住民らが地震の前兆として気が付いたことを次々と報告していた▼「まさか」と思うような話もあったが、いろいろな話を聞いているうちに、人間よりも臭覚や聴覚などに優れている動植物は地震の予知能力があるかもしないと思い始めた▼気象庁のホームページにも地震は地中の広い範囲で固い岩盤同士が破壊し合い、ずれ合う大きなエネルギーの集中や解放を伴うため、地震発生前から微弱で特異な音や電気、電磁波、匂いなどが周辺の地面や大気などに現れ動植物が感じ取る可能性はあるかもしれないと、否定はしていない▼鹿児島県のトカラ列島近海や山梨県、和歌山県など、このところ地震が頻発している。技術の革新が進む人工知能(AI)やセンサー技術などを活用した地震予知技術の開発が待ち遠しい。
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