2021年12月14日火曜日

【長崎県が整備計画素案公表】長崎IR、施設規模は総延べ55万㎡

IR施設の完成イメージ(長崎県提供)

  長崎県は佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含むIR(統合型リゾート)施設の区域整備計画素案を公表した。予定区域は早岐港のハーバー・マリーナ周辺敷地を含む約32ヘクタール。MICE(国際的なイベント)施設や魅力増進施設、タワーホテル、コンサートホールなどを計画し建物規模は総延べ約55万平方メートルを見込む。

 設置運営事業予定者であるカジノオーストリアインターナショナルジャパンと県で策定を進めている「九州・長崎IR区域整備計画」の素案を県議会総務委員会に提示した。素案によると事業者が公共ハーバー・マリーナを一体的に再整備する意向があるため、予定区域にこの敷地約1ヘクタールを追加する。施設は「和洋折衷」のコンセプトを意識したデザインとする。

 MICE施設は6000席の大ホール、展示総面積2万平方メートル以上の展示ホールなどで構成。地域や日本の魅力を来訪者に発信する魅力増進施設「ジャパン・ハウス」は地下1階地上6階建て延べ約2万3000平方メートルの規模で計画し、劇場や飲食・物販施設、美術館などを設ける。

 宿泊施設はタワーホテル、旧ホテルヨーロッパを改装したヨーロッパ風高級ホテル、高級温泉旅館などで2000室以上を確保する。来訪・滞在寄与施設としてコンサートホールやメディカルモールなどを設ける。カジノ施設はオーストリア国有企業が運営し規模はIR施設全体の延べ床面積の3%以内とする。このほかJRハウステンボス駅とIR施設を結ぶロープウエーの導入、バスターミナルの設置、大村港と早岐港間の海上交通網拡張なども計画している。

 概算事業費は約3500億円。年間の延べ来訪者数は約840万人、九州地域への経済波及効果は約3200億円を見込む。今後、公聴会などを開き県議会の議決後、2022年4月までに国に対する区域認定申請を行う。

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