2021年12月9日木曜日

【歴史遺産として保全検討】幕末のトンネル型水路、東京都国分寺市の玉川上水分水で発見

発掘された胎内堀(報道発表資料から)

  幕末期に整備されたトンネル形式の水路「胎内堀」が、東京都国分寺市の玉川上水分水で見つかった。発掘調査で幅員と天井高がともに1・3メートルと判明。玉川上水分水は幅1メートルの堀状になった開渠(かいきょ)が多く、トンネルは珍しい。規模や構造が明らかになったのは初めてという。市は近世、近代の地域発展に貢献した貴重な土木遺構として保全を検討していく。

 胎内堀は西町4の緑地整備事業に関連し、市が行った分水の発掘調査で発見した。玉川上水の整備状況を記録した歴史書『上水記』によると、胎内堀は江戸中期の1729(享保14)年に開渠式の水路として整備。地域に残る古文書などから、1868(慶応4)年にトンネルへ改良したことが分かっている。

胎内堀の内部(報道発表資料から)

 水路脇には明治時代に創業したしょうゆ醸造所の建物も残っている。水道普及以前に生活用水として水路を使っていた様子が分かる歴史的な建造物で、胎内堀とともに保存する考えだ。

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