2021年12月9日木曜日

【回転窓】冬季の熱戦

  冬の寒さが日に日に厳しさを増す中、車窓から眺める落葉樹では赤や黄に色づいた葉を落とさず、秋模様を残す木々も目立つ。今年は東京地方で木枯らし1号が吹かなかったこともあり、例年よりも紅葉シーズンが長くなった▼東京地方の木枯らし1号は、10月半ばから11月末までに、気圧配置が西高東低の冬型で吹く季節風(最大風速毎秒8メートル以上)などが条件。気象庁が総合的に判断して発表する。近年は2018、19年も吹かなかった▼師走に入って冬型の気圧配置が強まり、北海道や東北など日本海側を中心に、大雪や暴風への警戒感が高まっている。道路の通行止め、鉄道や飛行機の運休といった交通網への影響も危惧される。人々の暮らしや企業の経済活動に混乱を招く大雪は、災害の一つでもある▼来年2月に北京冬季五輪が開かれ、競技に影響する天候は気になるところ。適度な寒さと降雪は、前回の夏季五輪でスモッグに覆われた空を青空に変えた大国も天に祈るしかないだろう▼スポーツの祭典での熱戦を前に、豪雪地域では除雪との戦いが本格化する。地域の安全・安心を守る建設業の奮闘にも声援を送りたい。

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