ハウス施設を利用したトマト栽培。今年の生産量は60tに(四電工提供) |
四電工が徳島県吉野川市でトマト栽培に取り組んでいる。ハウス施設を利用した養液栽培でカラフルな多色ミニトマトやミディトマトを栽培し、消費者ニーズに応えている。8年目を迎えた今年の年間生産量は委託栽培を含め約60トン。スーパーや百貨店に独自の販路を確保しつつ、コロナ禍で好調なネット販売で顧客拡大を目指す。
トマトの栽培は、四国の重要産業である農業への貢献や新たな収益確保の可能性を探るため、2013年9月にスタートした。栽培しているのは四電工アグリファーム吉野川農園(川島町児島西須賀220の1)。施設規模は約2800平方メートル、社員と現場スタッフ総勢8人体制だ。
トマトの周年栽培には冬季の加温が必須となる。総合設備会社として培ったノウハウを駆使。暖房機器にヒートポンプを使い、安定した温度管理を実現している。同社と同じ四国電力グループの四国総合研究所が開発した栽培環境モニタリングシステムや農業用緑色LED照明を導入し、遠隔監視や独自栽培法に取り組んでいる。
吉野川市の小中学校の給食は年2回、四電工のトマトがメニューに加わる。同市のふるさと納税の返礼品としても人気という。スーパーや百貨店に並ぶトマトには同社の商品と分かるようパッケージに社名を入れPRしている。ホテルやレストランで食材に使うケースも増えつつある。
「現在は生食が中心。今後は加工食品の開発を模索している。収穫のない夏季に売り上げを創出したい」と話すのは事業開発担当の植松俊介企画部課長。トマトに続く作物の試験栽培にも意欲を見せる。
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