2021年12月8日水曜日

【働き方改革や作業環境改善に効果】JR東日本、終電繰り上げで工事時間を確保

常磐線北松戸駅でのホームドア工事(報道発表資料から)

  JR東日本が終電時刻を繰り上げて夜間工事の実施時間を確保し、施工効率を高めている。3月のダイヤ改正で東京100キロ圏の主要路線で終電から初電までの間隔を拡大。軌道敷設工事で作業効率が約1割向上し、一晩当たりの施工延長が伸びた。ホームドア工事では当初計画と比べ工期を約1割短縮できた。機械化の推進による労力軽減や工期短縮などを通じ、工事従事者の働き方改革の実現につなげていく考えだ。

 同社は東京から100キロ圏の主要路線で終電を30分程度繰り上げ、一部は初電を繰り下げた。中央線立川駅~八王子駅間のTC型省力化軌道(テクニカルセンター独自開発の省力化軌道)の敷設工事では、終電と初電の間合いが最大25分拡大し226分となり、準備、片付け、点検などを除く実作業時間を146分(ダイヤ改正前111分)確保した。1割程度、施工効率が向上した。

 機械化による労力軽減も推進した。中央快速線グリーン車の導入に向けた三鷹駅分岐器の撤去・敷設工事(終電と初電の間合い29分拡大)では、人力作業から大型機械での施工に変更し、約320人(作業8日分)の労力が軽減できた。

 作業間合いの拡大に加え、全体工程の最適化によってバリアフリー設備などを早期に供用開始できた。常磐緩行線北松戸駅ホームドア工事(間合いは最大42分拡大)では工期が約1割短縮。これに伴いホーム上などの作業スペース(仮囲い)の設置期間を1割程度短縮できた。

 一晩当たりの検査数量が増加し夜間作業の回数を削減。終電が多少遅延した場合でも夜間作業を中止せず、計画通りに工事を進めることができた。同社は今後も工期短縮や労力軽減などにより、工事従事者の休日増加などを支援していく。

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