2021年12月9日木曜日

【施工は門屋組ら3者JV】重文「道後温泉本館」、保存修理工事が折り返しに


  2019年1月にスタートした松山市の道後温泉本館の保存修理工事が折り返しを迎えた。現地では後期工事用の素屋根が登場。施工中の本館を風雨から保護する狙いがある。施工は門屋組・成武建設・富士造型JVが担当。24年12月の完成に向け、順調に作業が進んでいる。

 同工事は貴重な部材を一つ一つ確認し、最大限保存・活用しながら修理する約6年に及ぶプロジェクト。営業を継続しつつ重要文化財の公衆浴場の保存修理工事を行うのは全国初という。

 修理の対象は又新殿・霊の湯棟(延べ382平方メートル)や南棟(同436平方メートル)、神の湯本館棟(同593平方メートル)など。総事業費は約26億円。


 前期工事では又新殿・霊の湯棟と南棟の一部で作業を完了した。後期工事では神の湯本館棟と玄関棟、事務棟の修理に取り組む。後期工事用の素屋根は、愛媛県宇和島市在住の世界的美術家・大竹伸朗氏がデザインを手掛けた。工事期間中は本館の西側約3分の2を素屋根で覆う。全体の進捗(しんちょく)率は7日時点で53%。

 現在の本館はW造3階建てで1894年に完成した。所在地は道後湯之町5の6。敷地面積は1188平方メートル。

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