2017年4月18日火曜日

【目指すは量産化】下水管調査にドローン、試作機の試験飛行に成功

 水道設計大手のNJSと、ドローン(小型無人機)開発の自律制御システム研究所(ACSL、千葉市美浜区、野波健蔵代表取締役)は、下水道管路を調査できるドローンの試作1号機の試験飛行に成功した。

 直径400ミリまでの管路内の飛行を実現した。19日に千葉市美浜区の幕張メッセで開催する「第3回国際ドローン展」に出展するACSLのブースで公開する。今回の成功を踏まえ、より小さな管路を飛行できる機体開発に着手し、最終的に量産化に取り組む。

 下水道管路の国内延長は約47万キロ(15年度末時点)で、うち9割が人による目視調査ができない口径800ミリ未満の小口径管路。小口径管路内の調査は現在、自走式のテレビカメラなどが使われているが、人がマンホールに入って機材を設置するなど手間を要し、安全上の課題もある。

 両社はカメラを搭載したドローンを地上のマンホールから管路内を飛行させることで、調査・点検作業の省力化と安全性向上を目指す。

 試作機はACSLと共同で15年から開発。今回の1号機は幅25センチ、奥行き55センチの長方形で、重さ約1・6キロ。飛行中にプロペラが管路に当たっても破損しないよう五つのプロペラ(一つは推進用)をカーボンフレームで覆う構造を採用。機体は修繕がしやすく、メンテナンス性、防水性に優れる。管内調査のため、搭載カメラに映し出された映像を見ながら操縦できるFPV(一人称視点)機能も備える。全長12メートルの実験施設を使った試験飛行では口径400ミリまでの管路に対応できたという。

 両社は今後、口径200ミリの管路に対応した新たな機体開発に着手するほか、ドローンで取得した映像データの解析結果を活用し、効果的な管路の修繕・更新計画の策定にも取り組む。

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