「雲太、和二、京三」-。平安時代の子ども向け教育書「口遊」に記述があり、当時の三大建築物を指したものとされる。筆頭の雲太は出雲太郎の略で出雲大社本殿、2番目は大和二郎で東大寺大仏殿、3番目は京三郎で平安京大極殿という▼今の出雲大社本殿は江戸中期の造営で高さ24メートル。平安時代は高さ48メートルとされ、大仏殿の45メートルをしのいだらしい。48メートルは15階建てのビルに匹敵する。古来伝わる優れた木造建築技術が日本文化の一端を担ったことは間違いない▼リオデジャネイロ五輪に続く2020年東京五輪の競技施設には、伝統文化アピールのため木材が多用される。ところが、「環境に優しい五輪」を打ち出した4年前のロンドン五輪の競技施設にも、実は木材がかなり使われた▼ロンドンを超えて東京が何を発信できるか。注目は、東京・晴海の選手村に整備される休憩施設「ビレッジプラザ」。すべての部材を国産木材で賄い、大会後に再活用する施設は地域創生、循環型社会の実現を目指したものだ▼ビレッジプラザの基本設計者は現在公募中。世界を驚かせるアイデアが集まることを期待したい。
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